amazing baby

締め切り原稿はあるわ、イベント準備は佳境を迎えるわ、
ともかく朝からPCの前でひたすら作業。

実は、時間に追われているのに同窓会があるのだよ。

夕方、大切な打ち合わせもあったのだけれど、
同窓会とバッティングしていると打ち明けたら、
「会えるときに会っておかないと、
　絶対に後悔するから、行きなさい」
と、仲間が背中を押してくれた。

スランプ気味だった原稿も、ようやくペースを取り戻し、
この勢いで、出来る限り書いてしまおうと
キーボードを調子よく叩いていたら、妹からメール。

地道に作って来た書類を送って欲しいらしい。
思わず、むっとしてしまう。

せっかく執筆作業に集中できるよう、諸々排除してきたのに！

タイムリミットがやってくる。
娘に服装チェックを頼み、OKが出たので家を出る。

一応、チェックしておかないとね。
かつてと違って、気を入れたおしゃれが出来なくなっている。
気軽に靴を選ぶことさえできない状態でもあるし。

高校同窓会関東支部の二次会。

今年は数学教師がご出席。
黒板の前で全身を使った授業風景は、今でも鮮明に覚えている。
お会いするのは卒業以来。
髪は白くなり、かなり寂しい状況だけれど、
往時を思わせる若々しさがある。
遅れて到着した同級生が、同級生の一人と勘違いしたくらいだ。

旧制中学から続く伝統校故か、
男性陣は、定年後も役職で数年残れるくらいには出世している。
執行役員もいれば、関連会社のCEＯもいる。
でも、この場では誰もが高校時代に戻っている。
しがらみのなさが、同窓会の最大のよいところ、かも。

仕事で出会っていたのに、お互い同窓生とは気づかなかった
という話がいくつも出る。

おい、おい。

行きつけのバーで、
同窓生のようですよと告げられ
何十年ぶりかに再会したということも。

人口1300余万の東京だから、
同級生に会える確率は極めて低い。

ご縁があったんだね。

同じ東京に住む先輩の消息を同じ部活の仲間に訊く。
娘が成人したら連れて行こうと思っていたお店をやっていたのだが、
廃業したと言う。
少なからず、ショック。
結婚前に、夫も交えて会食もした先輩。
何があったんだろう。

ピアノとフルートの生演奏が心地よい。
ラストに生のボーカルも入った。
Tくん、意外といい趣味してるじゃん。
えっ？　大学の先輩がオーナーなのか。

二次会が終了しても、まだまだ宵の口。
新橋の有薫酒蔵へ行く。
同窓会ノートを眺めつつ、
高校時代のとっておきの話に盛り上がる。

大勢が盛り上がるなかで、
それぞれに内緒話が行われているのも、
こうした場の常。

それにしても、私たち、まだまだ元気だよね。
高校時代、今の私たちの年代のおとなは
みーんな、おじいさん、おばあさんに見えていたかも。
実際、同級生の中には孫がいる友だって
年々増えているもの。

在京同期のML作成と再会を誓い、
三々五々、家路に着く。

すっかりくたびれ果てて、
娘が帰宅する前に寝入ってしまった。
楽しいお酒は、ついつい進むからねえ。

人生のたった3年間を同じ場所で過ごしたというだけなのに、
何十年経っても会うと楽しい時間が過ごせる不思議。

参加するごとに、楽しさがますようだ。

会えるときに会っておかないと、
本当に会えなくなるかもしれないというのは、
今の年代だからこそ、思うことかもしれない。

帰宅後にメールチェックをしたら、
行けなかった打ち合わせの成果が送られていて、
しみじみ有り難いと思った。
誰もが出来ることを精一杯やっている。

からだは疲れていても、気持ちはとても穏やかだ。