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カテゴリ:株の話
さて、この171.5億という数字。
いったい、どのような計算で算出された数字なんでしょうか? DAオフィス投資法人の有価証券報告書P50、51をご覧ください。 ここにダヴィンチ銀座、ダヴィンチ銀座アネックスの概要が書いてあります。 ダヴィンチ銀座 141億 ダヴィンチ銀座アネックス 30.5億 計171.5億 どちらの物件も、インリックス株式会社という鑑定会社の鑑定価格が そのまま取得価格になっています。 つまり、利害関係のない第三者の鑑定会社が決めた価格が、 そのまま取得価格になっているので171.5億は極めて適正な価格なのです! ・・・。 納得できないですよね。 もう少し突っ込んで見てみましょう。 疑問1)その鑑定自体が怪しい? では、有報にある鑑定評価書の概要を簡単にみていきましょう。 2つ見るのは大変なのでメインのダヴィンチ銀座(141億)を見ていきます。 50ページの右上を見るとインリックスは、 直接還元法による価格 141億 DCF法による価格 132億 原価法による積算価格 155億 の3つの価格を査定し、その中から直接還元法の141億を 鑑定評価額としていることが分かります。 (収益ビルで原価法の価格が一番高くなるなんて、さすが銀座!) 141億の計算根拠は、 正味純収益6.5億÷還元利回り4.6%=141億 となります。 疑問2)なぜDCF法より直接還元法を重視したのか? 分かりません(笑) たぶん、鑑定評価書にはその理由が書いてあると思います。 一般的にDCF法は価格の説得力には優れるのですが、 個別の将来予測が介在してしまうので、どうしても不確実性が伴います。 一方、直接還元法はある程度、現行の賃料・空室率を勘案した、 ベーシックな状態が続くという前提での安定的な価値を査定することができます。 現時点の入居率は100%、 主なバリューアップは全て完了しているビルだから、 直接還元法が示す安定的な価格の方を重視したのかも? ちなみに投資家が収益ビルを評価する場合、 DCF法のみで評価するという投資家は意外に少ないです。 両手法を併用して、どちらかというと直接還元重視という投資家が多い気がします。 疑問3)正味純収益6.5億って見通しが甘いのでは? ここは仮説を立てて見てみるしかないです。 総収益の下の 建物賃料 657,048(千円) 共益費 103,656(千円) 賃貸可能総収入 760,704(千円) この数字が、無理の無い数字かどうかです。 ダヴィンチ銀座の総貸室面積は2,500坪 東京主要5区の空室率はこのデータによると4% 賃貸可能総収入 760,704(千円)÷12ヶ月÷貸室面積2,500坪 査定空室率 4% で計算すると、 有効賃料収入、共益費込みで坪2万6413円 込みで2.6オーバーですか・・・ ちょっと高い気もするけど、耐震補強済、個別空調、エントランス、共用部全てのリニューアル済み で銀座の立地を考えれば許せる範囲なのかな? 空室率も下がってきてるし。 疑問4)じゃぁ還元利回り4.6%という数字が低いのでは? どうなんでしょうか? 私の個人的な感覚では、リートが欲しがるこの100億ロットの物件の 還元利回りってこのくらい(4%半ば)かなと思うのですが。 最近、どんどん下がってきてますし・・・。 ただし、この後の(その3)で述べるこの物件のデメリットを 考えるとやっぱり低いかも? __________________________________________________________________________________________________________________________________ えーっと 私は不動産鑑定士でもなんでもないので 物件概要を見た感想を書いたまでですが、 少なくとも「現時点の」ビルスペック・入居率から考えて、 DAオフィスのこのダヴィンチ銀座の取得価格は、 もの凄く高いというわけではないのではと思います。 (次回へ続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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