ぼんやりひつじのひとりごと

当然のことながら個人的な面識はないですが、尊敬していた通訳者＆作家の米原万里さんが25日にお亡くなりになったことを今日のニュースで知りました。
ロシア語同時通訳者のパイオニアであり、ウィットに富むエッセイや時代を鋭く捉えた作品を書き続けた方です。米原さんの作品に接するたび「かっこいい素敵な先輩だなあ」とほんとに憧れの存在で、もっともっと現代社会に一家言を投げ続けて欲しいなと思っていた方だったので５０代での死はとっても残念で悲しいことでした。

私が読ませていただいた作品の中で一番印象に残っているのは、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞された『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』です。
米原さんことマリがプラハのソビエト学校時代の友達の消息をたどった旅には、激動の東欧の姿のそのままがありました。そして戦後の日本に生まれた私はほんとに平和で幸せな日々を送っているんだなあと思い知らされました。
いつもパワフルでウィットを忘れず走り続けた米原さんのご冥福をお祈りいたします。