カテゴリ:本のこと
このところバテ気味だなあと思っていたら月曜日の朝から胃がストライキを起こしました。
変な話、上からも下からも排出されず滞留状態・・・。タイに来てから時々こういうことが起こります。原因は「体力が衰えているときに食べ過ぎた。」ことにあるような・・・。でも節々も痛くなるから風邪の症状かもしれないです。 まあここは引越しの日も少し伸びたことだし、ちょっと休養をとることにして久しぶりに読書を決め込みました。 いまさらながら「流星ワゴン」重松清著を・・・。 「死んでもいいかなあ。」と思っている重い現実を背負った主人公が、ひょんなことから交通事故で亡くなった成仏していない親子が乗るワゴンに拾われ、自分にとって大切だったはずの過去へと旅をする。 シチュエーション的にはしょっぱなからシュールだけど、読み進むうちに全然シュールに思えなくなるのが不思議。むしろ、「もしかして、こういうことほんとにあるかも。」と思ってしまうぐらいの現実感を感じた。 主人公は過去を旅しなおしたとしても現実はどうやっても変えられないものだと悟り、その残酷さに傷つきはするのだが、同時に未来はいつでも変えられると知る。だからこそ、ワゴンから降りて現実に戻った時点で今までとっていた行動とは違う行動をとるようになる。その行動の変化はささいなことかもしれないけれど、そこから違う世界が回りだす。 小説を貫く空気は結構辛かったりするのだけど、だからこそ最後の結末に明るい未来を感じさせられ、読み終えてなんだか明るい気分になった。こういう小説はいいなあ。 現実の重さはちゃんと受け止めながら、未来は自分次第でいくらでも変えられるよと言ってくれているように思うから。 ENDLICHERIもそうだけど、「今を大事に過ごしたら、その先には違う素敵な未来が開ける。」 そういう空気感を感じる小説なり、音楽なりがもっとまわりに溢れてきたらちょっとはこの閉塞感溢れる社会が変わるんじゃない?なんて、ベットに寝転がってぼうっとしながら思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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