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2008/06/07
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テーマ:本日の1冊(3696)
カテゴリ:日本の小説
この小説を読んで忠臣蔵という話の印象がガラッと変わりました。
単なる「敵討ち」から大石内蔵介の智恵を全てつぎ込んだ壮大な「戦さ」の物語なんだと思いました。

よく年末時代劇なんかでやっているので、なんとな~くの話は知っているという人が多いのではないでしょうか。
僕もその一人でした。

僕もイメージだと、なんとなく吉良上野介は悪い人で、浅野内匠頭は被害者。
そして大石内蔵介がその敵討ちをとった、という感じでした。
そういう印象の人も多いと思います。

だけど実際はどうもそうとばかりも言えなかったようです。
まあこういうイメージがついたのはお芝居の影響とかが大きいみたいですが。

この小説では、討入りを単なる敵討ちではなく「戦さ」ととらえて書いています。
ただ吉良上野介を討てばいい、ではなくて、どうすれば吉良家を倒せるのか。
吉良家対元赤穂藩士との戦いとして描いています。

討入りまでの期間、どう仲間をつなぎとめるか、つなぎとめながらも気持ちが離れてしまった仲間をどう上手に分かれさせるか、またその間の資金は、そして世間に認められるために世間にどういう話を流すのか。

今までのイメージだと、吉良側としてはある日突然襲われたという印象ですが、この話では吉良側も充分に対策をとっていて、討入りだけではなく、それまでの期間がずっと戦いという印象です。

池宮彰一郎さんの作品を読んだのは初めてでしたが、なかなか読み応えがあってよかったです。
他にも忠臣蔵関連の作品もあるようなので読んでみたいと思います。





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最終更新日  2008/06/08 09:18:20 PM
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