「こどもの一生」(中島らも)
久しぶりに中島らもの小説を読みました。ガダラの豚で大感動してから、ちょいちょい読んでるんですが、なんというか、不思議な感じの話が多くてまずまずな感じなんですが、中にはちょっとメチャクチャすぎるのもあって。そんな中でもこれはかなり好きな作品でした。もともと舞台の脚本で、これの舞台ってどんなかなと想像しながら読みました。うーん、これを実際の舞台でやられたらかなり怖いよな~。前半の何となくぬるい感じの部分はちょっと笑いながら読んだりしてたんですが、ある一瞬を境に物語がガラリと変わって、そこから一気にラストまでどんどん怖さが加速していくようなスピード感はよかったですね。裏表紙にもB級ホラーとあり、作者本人も「B級」にこだわったといってますが、B級っていうのは「一段落ちる」という意味ではないんですね。あとがきでは、「お金をかけずにつくれる作品」というような事が書いてありましたが、そういうことなんですね。B級ホラーっていうと、くらだないものというイメージがありますが、ちょっと改めなければと思いました。これを読んで、そういえばもう夏だしホラーが読みたくなったな、と思いながら本屋に行ったら何とタイミングよく京極夏彦の「覘き小平次」の文庫本が出てました。ダッシュで購入しました。まだほんの序盤ですが、やっぱりいいですね、京極ワールドは。ぐいぐい引き込まれます。