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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:日本のミステリー
最近、笠井潔さんの作品にはまってます。
これまであまり読んだことがない作家さんだったんですが、なかなかいいです。 笠井氏の矢吹駆シリーズというもので、ちょっと前にブログに書いた「バイバイ、エンジェル」がシリーズ最初の作品。 なんだか難しくて分からなかった、というようなことを書いたと思います。 確かに難しいんです。 なんというか哲学的な話が多くって。 その後も「サマー・アポカリプス」「薔薇の女」と続けて読んだんですが、そこは同様でした。 その後の2作の方がまだ読みやすかったかな、というぐらいで。 ただですね。 雰囲気がいいんですよ。 重厚というか、しっかり味があるというか。 紹介文にはヴァン・ダインを彷彿とさせるとありましたが、あいにくヴァン・ダインはちょっとしか読んだことがなく、よく分かりません。 が、確かに古きよきミステリーの香りがします。 難しいと書いた部分ですが、僕は結構飛ばしちゃってます。 すみません。 だから作品の本当のよさは分かってないんだろうと思いますが、それでも面白いです。 なんというか、その難しい部分の哲学的な話は結構、事件のバックグラウンドの部分で、事件そのもののトリックなんかは、また別なんですよね。 だから、本来は作者の思想とかも入ってて大事な部分なんだろうけど、そこを斜め読みしちゃってもミステリー作品としては充分楽しめるわけです。 うん、そんな感じですね。 おっと、あまり感想になってないですね。 そうですね。作品を通しての感想になっちゃいますが、まずはやっぱり雰囲気がいいですね。 スピーディさには欠けるかもしれませんが、一歩ずつ結末に向かっていくような、じっくりとした展開がいいですね。 そして仕組まれたトリックと謎解きの鮮やかさ。 トリックも練りに練ったというものではなく、どちらかと言えば単純なもの。 本来は単純であるものの断片だけが散りばめられ、複雑に見えるところから単純なものに再構成するというか、こちらから見ていると、全く分からないものが、裏側から見ると一目瞭然になるような鮮やかな謎解き。いいですよ。 今はシリーズ第4作目の「哲学者の密室」を読んでいます。 今のところ事件の話が中心ですが、また難しい話が出てくるんだろうな。 タイトルに哲学者ってあるぐらいだから。 そこにめげないようにがんばります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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