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カテゴリ:お散歩日記
朝、自転車で駅に向かって走っていたら、今年初めて、キンモクセイが香った。
ああ、そうか。もうお彼岸なんだ。 子どものころ、これは朝の洗濯をする家々の窓から流れてくる石けんの香り、お母さんの匂いだと思っていた。 ―なんていい匂いなんだろう。このいい匂いの数だけ、お母さんが洗濯したふかふかのタオルケットや、すべすべのシーツがあって、そのぬくもりに包まれて子どもたちが眠っているんだ! そして子どもながらに、愛に満ちたこの世界はなんてすばらしいんだろう、というようなことを、言葉でははっきりと表現できないけれど強く感じて、とても幸せな気持ちになった。 涼やかな風が通り抜け、キンモクセイが薫るこの短い季節が、わたしは今も大好きだ。 ところで、NHKの朝の連ドラ(「純情きらり」)がおもしろい。 桜子ちゃん役の宮崎あおいが大好きなのです。 笛子姉ちゃん役の、寺島しのぶもいい味出してる。 サブキャラだけど、「職業婦人」の薫子ちゃんも好き。 達彦さんにしても冬吾さんにしても、主要な男性陣が全体的になよっと文科系、芸術肌で、およおよ優柔不断ぎみなのもわたし好み!(笑) 桜子ちゃんは、ヒロインなのに、長年の夢だったピアニストにはならなかった(大どんでん返しがなければ、おそらく)。 けれど音楽を愛し、ジャズを愛し、音楽と共に生きた。 それはなんというか、プロの音楽家になるのと同じくらい、ひょっとしたらそれよりも、うんとすてきなことなんじゃないかと思う。 (ところで桜子ちゃんがよく弾く「陽のあたる街角」はわたしも大好きな曲で、ちょっと敏感になっているときに聴くと、すぐ涙が出てしまう) あたしは、物語と一緒に生きよう。 誰かを愛して、愛されて、子どもを産んで、その子どもが愛でいっぱいになるような物語。 有名にならなくても、少しくらい貧乏でも、読んだり書いたりしていられれば、しあわせ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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