|
カテゴリ:お散歩日記
まだ日がのぼりきらないうちに、ひとっ風呂。 しずかだな。 川の流れるこころよい音。 鳥の鳴く声。 ぽかぽかとあたたまるからだ。 温泉でおなかをぺこぺこにして、朝ごはん。 朝もちゃんとお部屋に運んでくれるのです。 食後のコーヒーは、小ぶりの水筒に入っていた。 冷めないように、という気持ちがあたたかい。 宿を出るころ、冷たい雨がばさばさと降りだした。 車で、近くの観光施設へ行く。 ビール工場や雑貨屋さん、教会などがひっそりと集まっているところ。 全体的に、店員さんは愛想がよくないけれど、アイスクリーム屋のおばちゃんはやさしい。 トイレに行っているあいだ、食べかけの塩アイスを冷蔵庫に入れておいてくれた。 アジアふうの雑貨やさんで、めずらしいホワイトオニキスのたまごを発見。 手に取ったらすごく落ち着く感じがしたので、ひとつ買う。 雑貨屋の兄ちゃんは「これ、会社帰りのサラリーマンが買っていくんですよ!」と言っていたが、こんな山奥、それも仕事がひけた後で、本当にサラリーマンが来るのだろうか。 白いオニキスのたまごを買いに? 福島を離れ、仙台へ。 今夜は、恋人がむかしお世話になった先生の家へ泊めていただくのです。 先生はきれいな銀髪に白ひげを生やし、熊のように体がたっぷりとしている。 隣にいる小柄できれいな奥さんが、兎のように小さく見えるほど。 初めてお会いするにもかかわらず、酒が一杯入った途端、体と頭の芯がかっかしてきて、またも夜中までべらべらしゃべるわたし。いやはや。 先生はゆっくりゆっくり、噛みしめるように話すので、人より話しはじめるのに時間がかかるわたしも、安心して自分の思うことを言える。 ふだん陽気な火星の方は、めずらしく言葉数少なに、神妙な顔で先生の話を聞いている。 ほとんどしゃべらないのに、深くリラックスした様子のこのひとを、わたしは初めて見たかもしれない。 ひとりの人間の中には、無数の表情が眠っているものだ。 布団に入ったら、ぴゅうう、ぴゅううと風の鳴く声が聞こえた。 ときどき、窓ガラスががたがた揺れるのも、あたたかい家の中にいればだいじょうぶ。わたしは守られている。 そう言えば、いま読んでいる本に「女性は『セキュリティ』の感覚を欲している」というようなことが書いてあった。 女は子どもを産み育てる性だから、安全や安心を求めるのは自然なことだ。頭でいろいろ考えることと違って、これは本能だもの。 あれこれ思いをめぐらせながら、眠りに落ちる。 …写真、上手に撮ったつもりだったのに、ちょっと曲がってしまったよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.01.10 14:42:01
コメント(0) | コメントを書く
[お散歩日記] カテゴリの最新記事
|