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テーマ:ささやかな幸せ(6742)
カテゴリ:ごはん日記
よく晴れた朝。 クマと恵比寿へ行く。 駅前のハーゲンダッツでアイスクリームを買い、動く歩道で食べながら移動する。 一心にアイスクリームをなめるクマ。 冬眠しなくていいの、クマなのに。と聞いた。 クマは黙って、毛皮についたクリームをなめとっている。 ガーデンプレイスの広場に、大きな犬や小さな犬、犬らしい犬や犬とは思えぬ犬などがたくさん集まって、毛玉のようにじゃれたり固まったりしている。 近くのベンチに腰かけ、クマと一緒にしばらく犬たちを観察する。 クマが整体を受けたいというので、整体院近くのアジアふうカフェに入り、本を読んで待つ。 ヒーリングサロン兼、雑貨店兼、カフェのようなところ。 さまざまにくふうを凝らした空間なのだが、ものが多く、お香の匂いも少しきつく、何となく落ち着かなくて、早々に出る。 どちらかと言えばわたしは、何もない洞穴のような喫茶店が好き。 クマのこぐ自転車で夕暮れのスーパーへ行き、片隅にあるスターバックスで別々の本を読む。 クマは何を読むのか、と思いむくむくした手元をのぞき込んだら、ソムリエが書いたおもてなしの本だった。 部屋に帰って、寄せ鍋をする。 豚肉、鶏肉、きのこ、水菜、葛、とうふ、白菜、白ねぎなどをわたしが切る。 切ったそばから、クマが特製のだし汁に入れて、煮る。 乾杯をし、素焼きのビアマグで、ヱビスビールをごくりとのむ。 「がるる」と鼻先を赤く染めたクマ。わたしは少し泣いた。 食べるだけ食べると、クマはその場にひっくり返って寝てしまう。 やはり冬は眠いのか。 後片付けを終えてもクマが寝ているので、名著「お風呂の愉しみ」をめくりながら化粧水を手作りする。 精製水にラベンダー精油を一滴、好みでホホバオイルやグリセリンを少々。 スプレー容器に入れ、よく振って使う。 少しやわらかめに作ったミツロウクリームを乳液代わりにすると、お風呂上がりの肌がぷるぷるに潤う。これは、いい。 お風呂から上がると、クマが毛布をかぶっていよいよ本式に寝ていたので、柚子皮の砂糖煮をこしらえる。 ゆでこぼしたゆず皮を三日月型に切り、奄美の黒砂糖でじわじわ煮詰める。 糸をひくくらいになったら網の上でひと晩乾かし、翌朝ざらめをまぶす。 甘いのにさっぱりしていて、口に入れると柚子の香りが口のなかいっぱいに広がる。うまい、うまい。 それでもクマが寝ているので、いろいろな人に差し上げるミツロウクリームも作ってしまう。 作り終えても、クマはごうごうといびきをかいて寝ている。 とうとうあきらめて、わたしも寝る。 クマがいると、毛糸の靴下をはかなくても足があたたかいので、冷え性のわたしはうれしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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