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テーマ:今夜のばんごはん(50670)
カテゴリ:ごはん日記
風邪をひいていました。
ひさしぶりの風邪なので、野口晴哉先生の「風邪の効用」を開き、張り切っていろいろ試す。 足湯とか後頭部をあたためるとか、治りかけて平熱より低くなったときに安静にするとか。 風邪は上手に活用すると、かかる前より体調がよくなるんだって。 先輩がお弁当に持ってきていた栗ごはんがとてもおいしそうだったので、うちでも作ることに。 産直で元気のよさそうな栗を仕入れてきて、しばらく湯につけた後、こつこつと皮をむく。 生の栗をむくのって、こんなに時間のかかる仕事だったんだ! 夕方の涼しい風を入れて、おおはた雄一さんの音楽など聴きながら、のんびりやる。 当たり前だけど、栗って木の実なんだなあ、としみじみ思う。 瓶詰めの甘露煮を使うときは、そんなふうに感じたことがなかった。 大昔の女の人も、お湯につけた栗の皮を、おしゃべりしながら石のナイフでむいて、ごはんと一緒に炊いてはふはふしながら食べたかな。 肝心の栗ごはんは、新鮮な栗がほくほく甘くて、口の中いっぱいに秋が広がるやさしいお味でした。 秋刀魚の塩焼きと一緒にいただいて、季節を愉しむ。 最近、うちの図書館の職員の間で流行っている本。 おべんとうの時間 海女さん、お坊さん、OLさん、たこ壷研究者(!)、高校生、茅葺き職人、釣堀経営者… 日本中のいろんな職業、年齢の人たちのお弁当写真と、インタビューが見ひらきで載っている。 『翼の王国』人気連載の書籍化だそう。 ふだんどおりの飾らないお弁当もあれば、「取材があるから」と奥さんが張り切ってこしらえたであろう、彩りのきれいなお弁当もある。 見れば見るほど味わい深くて、ひとつの写真に長いこと見入っては、「この卵焼きには何が入っているんだろう」とか、「おかずがひとつずつ仕切られて、きっと几帳面な人なんだな」とか、いろいろ想像をふくらませる。 インタビューも、あまり作り込まず、仕事について人生について、お弁当の主が語るまま、自然な口調で掲載されているのがいい。 一緒にお弁当を食べながら、じっくり話を聞いているような気分になる。 これが、たとえば「晩ごはんの時間」だったら、こんなふうに、ぐっと個人を掘り下げる本にはならなかった気がする。 かぎられたスペースに一食分のすべてが収まった、お弁当は小さな宇宙。 保険会社の営業をしている中野さん(お弁当とともに本書に登場します)の言葉が、はっとさせられて心にのこった。 「弁当ってふたりで食べるものだと思うんです。作る人と作ってもらう人のふたり。作ってくれる人の気持ちは伝わるから、ありがたいなぁって思います。」 …面倒くさいなんて言わないで、心をこめてお弁当つくらなくっちゃ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.14 22:18:42
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