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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2007.05.02
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カテゴリ:お散歩日記
6時起床。
朝ごはんをたっぷり食べ、宿に迎えに来てくれた山のガイドさんの車で、出発。
今日のエコツアーに参加するのは、わたしたち2人と、山慣れた雰囲気の中年のご夫婦。
案内してくれるNさんは、関東の出身。
屋久島に惚れ込んで、7年前に移住してきた。
知識と経験の豊富さはもちろん、島への愛情が、言葉の端々にあふれている。

準備運動をすませ、一定の歩調で山道をゆっくり上がってゆくNさんの後ろについて、山道を歩きはじめる。
濡れて苔むした石や倒木の上は滑るので、一歩ずつ足元を確かめながら、歩く。
ときどき、シカの親子に会う。
ヤクシカは、本州で見るシカよりひと回り小さい。
人に馴れているのか逃げる気配もないけれど、宮島のシカみたいに餌付けされていないので、寄ってきたりはしない。
潤んだ瞳で、じっとこちらを見ている。

ヤクシカ

古い切り株の上に新しい木の種が落ちて着生、発芽し、やがて大きな木に成長する「切り株更新」、同様に倒木の上で着生する「倒木更新」、古い木が倒れてできた空間に、光が差し込んで新しい木が育つ「ギャップ更新」などを、ひとつずつ見ながらNさんに説明してもらう。

切り株更新

ああ、木漏れ日がきれいだ。

つながるいのち

複雑に絡み合う古い木の根と、その上に顔を出す新しい芽。
森は、ひとつのいのちなのだな。
たくさんの命は、別々に存在するのではない。
世代の切れ目なく、境目も曖昧に、すべて環状につながっている。
たとえば死ぬことさえ、ひとつの命の中にある。

もののけの森

宮崎駿監督が映画「もののけ姫」のモチーフにしたという場所。
木漏れ日が、苔むした岩をまだらに染めている。
「屋久島は、島全体が巨大な水耕栽培と言えるかもしれません」とNさんが言った。

少し大きな沢に差しかかったところで、いったん休憩。
白谷雲水峡の水は、ほとんどがそのまま飲める。
だから、山に入るときも、小さなペットボトルをひとつ持ってゆけばだいじょうぶ。
人が歩く道から少し離れたところを選んで、軍手をはずし、澄んだ水に指をひたす。
冷たくてやわらかい感触。
両の手のひらに水を受けて、口に含む。
甘い。軟水だ。
においも甘い。水自体が放つにおいに加えて、かすかに緑のにおいもする。
屋久島に住んでいたら、アロマテラピーなんていらないな。
これで煮物を作ったらおいしそうだな、と思いついてしまい、こんな森の中で煮物の水のことを考えている自分をちょっと笑う。

(その2につづく)





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Last updated  2007.05.08 23:28:44
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