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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2007.06.24
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カテゴリ:お散歩日記
ひまわり

午前中はくまが仕事に行くので、お留守番。
洗濯物をベランダに干せる幸せ。
わたしの部屋は、ベランダがわりと大きな車道に面しているので、長い時間干すと匂いがついてしまうのです。
洗濯物だけ干したら、ぐにゃりと身体がゆがみ、泥になって二度寝。
遅い時間に起き上がり、くまの大きなマグカップに牛乳をあたためて、トーストを2枚平らげる。

人生は壮大な暇つぶし。
仕事をしていれば、少なくとも朝から夕方まで、何も考えずに暇をつぶすことができる。
しかしこれからは、暇のつぶし方も自分で考えるのだ。
毎日何か楽しいことを見つけて、家の中でも外でもいいから動き回るようにしよう。
そして、言い訳はもうひとつもなくなるのだから、逃げずに原稿用紙と対峙しよう。

最近、小川洋子さん「物語の役割」を読んでいて、はっとしたのです。



彼女はずっと小説家になりたくて、なりたくて、でもあまりにも小説家に憧れすぎて、小説を書くことが何か特別な、畏れ多い行為になってしまい、書けないほどだったのだと。
わたしの場合は、そこに怠惰も加わっている。
それを払拭してとにかく書くところまで持っていくのが、最初の仕事だ。

ほぼ日の、川上弘美さんのコンテンツをゆっくり読み返し、ほぼ日Tシャツ(5月はペンギンを買いました。今月は「SAD CAFÉ」。最近はどうやらカフェオレ色が好きらしい)を買っていたら、「ただいまー」とくま帰宅。

昨日からラーメンづいているので、お昼もラーメン屋さんに行く。
そこはさくらんぼ畑の真ん中にある、まるで一軒家のような店。
おばあちゃんちの大広間、という感じの清潔な場所にテーブルが並び、おばあちゃんがお水を運んできてくれる。

わたしは冷やしラーメン(冷やし中華とは別)、くまはつけ麺を注文。
冷やしラーメンは一見ふつうのラーメンなのだけれど、おつゆも麺も冷たいのです。
そして、もやしの代わりにきゅうりの輪切りが入っている。
さっぱりとしたふしぎなおいしさ。あっという間に平らげる。
くまが食べているつけ麺のたれも、酸っぱくて辛くて、何とも言えず懐かしい、とてもおいしい味。
麺を食べ終えた後、最後にゆで汁を入れて薄めてもらったのを、しみじみと味わって飲む。
今度来たら、つけ麺を注文するんだ。
おなかを空かせておいて、ぎょうざとごはんも食べよう。

お昼から、オルゴール博物館へ。
ちょうど展示品の実演をやっている時間に当たって、お姉さんの鮮やかなオルゴールさばきに見入る。

腰かけると音楽が流れ出す、椅子のオルゴール。
ワインを注いでいる間だけ音が鳴る、ボトルキャップのオルゴール。
ディスクを変えると、一台で色んな音楽が楽しめる、大きなオルゴール。オーケストラみたいに、豪華な音がする。

こんなに楽しいものが見られると思っていなかったので、子供のように顔を寄せて「うわああ」と歓声を上げながら見る。
子供たちの方がはるかに冷静です。

かごの中に入った鳥のオルゴール。
鳥の鳴き声に合わせて、小さなくちばしや尻尾も動く。
アンデルセンの「ナイチンゲール」という童話を思い出しました。

音楽に合わせて曲芸をするオルゴール。
こまを回したり、曲芸をしたり。手品をするオルゴールまで!
これらはオルゴールというよりもはや、からくり人形ですね。
酔っぱらったストリートオルガン弾きが、夢でふしぎな光景を見て…という、物語仕立てのオルゴールまである。
オルゴールの博物館はあちこちでいくつか行ったことがあるけれど、ここは素敵だなあ。
ひとつひとつのオルゴールが、ちゃんと愛されて佇んでいる。

それから、自動演奏機能のついた大きなオルガン。
100年前の機械だというのに、ちゃんと動いて荘厳な音を響かせる。
オルゴールの修理屋さんは、博物館のお姉さんに「今使われている機械で、100年、動くものがありますか」と言ったそうだ。
機械が増えて、便利になって、時間を節約しているつもりがいつの間にか、自分たちが持っている時間の物差しを、どんどん縮めてきたのかもしれない、わたしたち。
ロスト・コード、失われた和音。という題名の曲を聴きました。
切なくて、美しくて、立派な曲。
あ、物語が書けそう。

そしてストリートオルガン!
ストリートオルガンの音を、わたしは子供のころからずっと目の前で聞きたいと思っていたのです。
厚紙の楽譜をセットして、お姉さんがハンドルを回すと、パイプを通ったやわらかい、でも力強い音がどんどんあふれ出してくる。
思わず顔がほころんでしまうような、楽しい音。
見回すと、子供たちもにこにこ足を揺らしている。
くまは、疲れて舟を漕いでいる。

ここは、いいなあ。
外から覗いただけだけれど、喫茶店もいい。
天気のいい日には、庭もすてき。
ひとりでお茶をのんだり、書き物をしたり、時にはオルゴールの音も聞きにこよう。

 *

心配すること、期待しすぎることを意識的にやめたら、すごく楽しい休日を過ごせたなあ。
人生ってもしかすると、これでいいんじゃなかろうか。





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Last updated  2007.06.26 17:46:16
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