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テーマ:やっぱこの時期は鍋(579)
カテゴリ:ごはん日記
くまが、一緒に仕事をしている若いくまたちを家に連れてきたいというので、ひさびさに居酒屋biscuitを開店。こたつでキムチ鍋パーティーです。
くまの独身時代から察するに、みんなふだんはほとんど野菜を食べていないにちがいない…と思い、前座のおつまみも野菜づくしにしてみた。 高山なおみさんレシピのにんじんサラダ。ほんとは春のやわらかいにんじんで作るのがおいしいんだけど、にんじんは体にいいですからね。レシピより細めの千切りを塩でもみ、しょう油(レシピではナンプラー)、ごま油、かつお節、一味唐辛子で和える。唐辛子がぴり辛でビールに合います。 向田邦子さんのトマトサラダ。青じその千切りをたっぷりのせて、ごま油、しょう油、酢、塩、味の素(!)を混ぜたドレッシングをかける。ごま油をどっさり入れるので、若者たちにも好評でした。 それからこれも向田邦子さんの、わかめかつお節炒め。ふだんおみそ汁に使っているのよりちょっぴり高級なわかめを水でもどし、多めのサラダ油とごま油で炒める。油とわかめがパチパチはねる。 鍋のふたを盾にした…といういしだあゆみさんを真似て、わたしはゴム手袋にフライパンのふた、家でいちばん長い菜ばしで重装備。台所の戦士みたいないでたちで、もくもくと炒める。わかめが「ひすい色になったら」、しょう油とかつお節で味を整えて、完成。少々見栄えが悪いので、素敵な柄のあるお皿にちょっとだけ盛りつけるのがおすすめです。 キムチ鍋のスープは、市販のキムチ鍋の素に、味噌とコンソメ、すりごまを隠し味で入れてみた。 たっぷりのキムチ、塩もみした白菜、ニラ、長ねぎ、玉ねぎ、もやし、木綿豆腐、しいたけにえのき、肉も奮発してどっさり入れる。 あんまり大量の具を用意したので、野菜を切るだけで1時間以上かかりました。ふう。 わが家のくまだってまあ若いのだけど、今日のお客さんはもっと若いくまたちなので、気持ちいいほどどんどん食べる。汗をかきかき、白いごはんもお代わりする。ビールを飲み干して、日本酒ものむ。思春期の息子を持ったお母ちゃんのような心境になり、「じゃんじゃん食べてね」と思いながらどんどん野菜を入れる。肉も入れる。 最後は雑炊でもうどんでもなく、目先を変えて生ラーメンを入れてみました。キムチラーメン。これは軽く下ゆでしてから鍋に入れたほうがおいしかったかな。ちょっととろみが出ちゃったけど、それはそれでおいしかった。 ひと息ついても、biscuitおばちゃんのたくさん食べてね攻撃はつづく。 デザートに、濃厚なチョコレートケーキと紅茶。 実はこの間、くまに焼いたバレンタインケーキの残りなのです。 行正り香さんのレシピで、森永の板チョコとココアパウダーをたっぷり入れて焼き上げ、ウィスキーを滴るほど染み込ませて、しばらく寝かせてあった。ウィスキーがあんまりいい香りなので、作りながらちょびちょび舐めてしまった酔っぱらいのケーキ。 テレビを見ながら生地を混ぜていて、卵黄を泡立てるのを忘れたり、生クリームを入れ忘れたり、いろいろ手落ちの多いケーキだったのだけど、ウィスキーが欠点をすっかり隠して、おいしいケーキにしてくれました。ありがとうシングルモルト山崎。 入れ忘れた生クリームも、たっぷり泡立ててケーキの横に添える。おなかに入ってしまえば同じだわ。 それにしてもお母さんというものは、なぜ絶対に食べきれない量のごはんをテーブルに並べるのだろう…と子供のころからふしぎに思っていたのだけれど、自分が作るようになった今は、ちょっとお母さんの気持ちがわかる。 たくさん食べてほしいのだ、作るひとは。 そして、「ああ、おなかいっぱい。もう食べられない」とため息をつかせたい。 くまとふたりのつつましい食卓では味わえない満足感。達成感。 おなかをぱんぱんにふくらまし、うっとりした表情の小ぐまたちを「また来てねー」と見送りながら、確実に母の遺伝子を受け継いでいるなあ、わたし。と思い、玄関でひとり笑う。 いつもだとくたびれちゃうけど、ときどきお客さんが来るのはいいな。 無精者のわたしもさすがに多少掃除をするから家がきれいになるし、気分転換にもなる。 「またときどきは連れてきてもいいよー。でも何しろたいへんだから、ときどきね」とくまに念を押しながら、次のターゲットにはどんな野菜を食べさせようか、早くも算段を始めている野菜おばさんなのです。うしし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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