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カテゴリ:ごはん日記
春のおわりのやわらかい雨が、さらさらと降っている。
裏山には、どうやらカッコウが住んでいるらしい。 雨の日も風の日も、朝から夕方まで、ずっと声が聞こえてくる。 * 書きものに行き詰まったら、まず掃除。 次にジャムを煮る。 昨日は梅ジャム。 去年の梅酒からお役目を終えた梅を取り出して、ジャムにするのです。 穴杓子ですくい上げたら、ブランデーで漬けた梅の甘酸っぱい香りがぷーんとたちのぼる。 辛抱たまらず、小皿にとってひと舐め。あーおいしい。 くまがお世話になっている人(と、その奥さま)から、ぜんまいの煮たのや「だし」(夏野菜のピリ辛浅漬け。こちらの郷土料理。ごはんにのせて食べると悶絶)をいただいたので、ひと瓶はお返しに差し上げる予定。 梅は水から茹でこぼし、水を替えてやわらかくなるまで煮る。 ボウルに移して種からはずし(ここがいちばん手間。でも、楽しい)、ほぐした梅の実を、半量のきび砂糖、レモン汁と一緒に弱火で煮詰めたら完成。 150度のオーブンで殺菌消毒した瓶に詰めて、素早くふたをする。 渡すとき材料と食べ方を説明してね、と何度教えても暗記できないくまが「ジャム…ナントカを煮詰めた…梅の…冷蔵庫…」とうつろな瞳で繰り返しているので、気の毒になって奥さま宛てのメモを書くことに。 たとえくまが暗記に成功しても、先方の旦那さんが覚えてご自宅で再現できるかどうか、きわめてあやしい。 『梅酒を漬けた梅を、黒砂糖と一緒に煮詰めたジャムです。 クラッカーやヨーグルトに合います。 パウンドケーキに入れて焼いてもおいしいです。 冷蔵庫で保存してください』 そう言えば子どものころ、芯の周りに蜜の入った甘いりんごをお隣に持っていくよう、母から言いつかったことがあった。 蜜の入ったりんごですってちゃんと説明するのよ、とよくよく言い聞かされて家を出た。 張り切って出かけたのはいいけれど、お隣さんの顔を見たとたん、頭が真っ白になって、黙って袋を置いてきてしまったっけ。 もらう方はそんなに気にしないのにな、おすそ分け。 渡すほうは、細かいところが心配になるものらしい。 あ、びんは返さなくていいですって書くの忘れちゃった! いちおうくまには言ったんだけど、覚えてるかなあ… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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