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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:お散歩日記
古本市へ。
古書店のならぶ通り沿いに、どこまでも、どこまでも青空本棚がつづいている。その数およそ100万冊。街じゅうが巨大な古書店になったみたい。本読みの桃源郷だ。しばし陶然となって、興奮で背表紙に集中することができないほど。 古書店って、慣れない客にはどこか敷居が高い気がして、ふだんは入ることをつい躊躇してしまう。でも青空市なら、誰はばかることなく、堂々とじっくり棚を見て回ることができる。 それでも初めのうちは、本棚の前の人だかりを押しのける勇気がなくて、人の頭のあいだから背伸びして見ていた。 そのうちだんだん図々しくなって、最前列に陣どり、心ゆくまで本との会話を楽しむ。絶版になっていたあの本がある。ずっと読みたかったこの本も。あの作者は、こんな本も書いていたのか! 一度は胸に抱えた本の山を見下ろして、ふとわれに返る。それでなくともわが家の本棚は、その能力をはるかに超える量の本を詰めこまれて、うんうん唸っているというのに。こんなにたくさん、いったいどこに収めるというのでしょう。ぐすん。 断腸の思いでハードカバーの本を棚に戻し、ターゲットを文庫本にしぼって、慎重にえらんでゆく。図書館で借りて一度読めば気がすみそうなものは心のノートに題名をメモ。手もとに置いてくり返し読みたいと思えるものだけを買う。 で、本日の戦利品がこれ。 金田一先生の本だけは、新刊書店で買いました。 秋の夜長を共にすごす友人がふえてしあわせ。 もう十分に見た、と納得して帰ってきたはずなのに、いつの間にか、また週末に歩いてこようという気持ちになっている。桃源郷の果実は中毒性があるらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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