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テーマ:自転車(13138)
カテゴリ:お散歩日記
花びらのじゅうたんの上で、子どもたちが遊んでいる。 あっという間に4月も終わりだなあ。 * 天気がいいので、愛車オレンジ1号(自転車)で買い物に出かけようと思ったら、前輪がパンクしていた。 近くの自転車屋さんで見てもらったら、タイヤが古くなって、取り替えないとだめみたい。 東京で暮らしはじめた春からもう3年、同じタイヤで乗りつづけているものなあ。 後輪もあわせて交換すると、安いママチャリなら1台買えちゃうくらいの値段。 少し迷ったけど、たくさんの時間を共有した思い入れのある自転車なので、思い切って「取り替えてください」とお願いする。 作業場の奥にあるソファで、待つこと1時間。 タイヤ交換ってずいぶん時間がかかるのね、と思っていたら、おじさんがにこにこ笑いながら顔を出して、わたしを手招きした。 店の前にとめられたオレンジ1号を見て、おどろく。 タイヤが新しくなっているだけじゃない。 大きくゆがんでいた前かごが元のかたちに戻り、全体をおおっていたサビと汚れが落とされ、銀とオレンジの塗装まで新しくなっている。 朝の光を受けて、きらりんと光るオレンジ1号。 「うわあ、新しい自転車を買ったみたい!」と思わず駆け寄るわたしを、おじさんがにこにこしながら眺めている。 「こんなにきれいにしてくれたのにタイヤ代だけでいいんですか」と振り返ってたずねたら、「いいんだいいんだ、たくさん仕事させてもらったから、サービス」って。 作業着にも、指先にも黒い機械油の染みこんだおじさんの姿に、一瞬後光がさして見えた。プロ魂! 何度もお礼を言って走り出す。 ふたつのブレーキも、新品みたいに効きがいい。掃除して、油もさしてくれたんだな。 引っかかって鳴りづらくなっていたベルは軽快な音をたて、三段ギアの切り替えも半分の力でできるようになった。 さくらんぼの白い花と、ハナミズキのピンクの花がどこまでもつづく下り坂を走りながら、うれしくてつい顔がにやけてしまう。 あのとき捨てるって決めなくて、本当によかった。 腕のいいおじさんの手を借りて、元気になったオレンジ1号。 また一緒にいろんなところへ行こうね、と思う。 周りに誰もいないのを確認して、そっとベルを鳴らしてみる。 ちりんちりん。 自転車が通ります。 風を切って青空をのみこんで、どこまでも走りますよ。ちりんちりん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.04.28 21:17:02
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