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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2010.05.21
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カテゴリ:映画日記
チューリップ

長田弘「いい時間のつくりかた」という詩にさそわれて、朝、自分のためにスコーンを焼く。
ボウルに入れた小麦粉に、切ったバターを入れて指さきで揉みこんでいると、体がゆっくり目をさましていくのを感じる。

焼きたてを半分に割って、湯気の立っているところへ、青森のおいしいりんごジャムをのせていただく。

 一日にいい時間をつくるんだ。
 とても単純なことだ。
 とても単純なことが、単純にはできない。
     (長田弘詩集「はじめに…」より)

ひかり


雨の休日の愉しみに、おいしそうな映画のDVDを二本借りてきました。
ホノカアボーイ」と「南極料理人」。
両方とも、四回ずつ見る。



「ホノカアボーイ」は、ハワイが舞台。
見るたびにホノカアの景色や風や温度が体の中に入ってきて、三回目くらいからなつかしさで胸が苦しくなるほどだった。
最後の場面も、一回目より二回目、三回目より四回目で涙がたくさん出た。

ビーさん(登場人物のおばあさん。ホノカアに実在した人)の料理は、ほんとにビーさんの料理だった。
ハワイに暮らしてきた、日系人の、おばあさんの。
高山なおみさん(この映画で料理を担当しているのです)がビーさんになりきって…というより、ビーさんが高山さんの体を借りて、レオ(主人公の男の子)のためにもう一度ごはんを作っているみたい。

ごはんを作ることは、愛すること。
ビーさんの味は、どこで誰と暮らしても、レオの中に消えることなく残ってゆく。
もし、レオが誰かにごはんを作れば、その味がまた別の人の中に根を下ろす。
そうやって、ずっとずっと続いてきたんだなあ。

ビーさん特製のマラサダ(ハワイの揚げパン)がとびきりおいしそうだった。
今度、休みの日に挑戦してみよう。




「南極料理人」は、南極が舞台。(対照的だ!)
ペンギンもアザラシも、ウィルスさえも生存できない極寒の地で、男八人が約一年の共同生活を送る。
堺雅人演じる料理人の西村さんが、毎日まいにち、男たちのために三度のごはんを作る。
おにぎりに豚汁。特大エビフライ。フルコースにステーキ、手打ちラーメンまで、リクエストに応え何でも作る。
(こちらの映画は、飯島奈美さんが料理を担当しています)

男たちは、「おいしい」とか「いつもありがとう」なんて歯の浮くようなことは言わない。
「いただきます」もそこそこ、一心不乱にがつがつ食べる。
そのようすを、あの素敵な、ちょっと途方に暮れたような笑みをうかべて見守る西村さん。

最初は盛り付けも工夫して、よそゆきの料理を作っているのに、どんどん適当な感じに(朝ごはんにカニとか!)なっていくのが見どころ。
それと共に、西村さんが「オカン」化してゆくのが愉快。
テーブルにつくメンバーも、いつの間にか家族みたいになっている。
お父さんぽい人とか、おじいちゃんみたいな人とか、何となく役割が決まってくる。
毎日一緒にごはんを食べるって、すごいことだ。

台所には、暮らしのリズムと、温度と、祈りが染みこんでいる。
自分の台所をもつことの幸せを思う。





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Last updated  2010.05.21 11:24:15
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