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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:お散歩日記
はじめてのマラソン大会まで、一週間を切りました。 あたらしいウェアも買ったし、体調もわるくない。 くまが出張中なので出場を迷っていたら、東京マラソンも完走したくま母さんが一緒に走ってくれることになった。心づよい。 くま父さんも来てくれるから、みんなでおいしいものを食べたり、温泉に入ったりしよう。あー楽しみ! 体調や気分がすっきりしないときこそ走るんだ…というくまを、結婚前は半分あきれてながめていたのになあ。 いつの間にかわたしにも、疲れたり落ち込んだとき、えいやっと走りに出かける習慣がうつっている。 走りはじめて最初の2、3キロは苦しいのだけど、そこを過ぎるとふっと体が楽になる。 なんでもない木漏れ日が、涙が出るほどきれいに見えたりして、心に引っかかっていたあれこれも、風になって後ろへ流れていく。 先日、友達の結婚式に呼んでもらって、大阪へ行ってきました。 会場は、大きな窓から光がいっぱいに差し込む、川のほとりのフレンチレストラン。 初夏の日差しを浴びてやわらかなほほ笑みを浮かべる友達はとても美しくて、最後の新郎あいさつのところで、胸がいっぱいになってちょっと泣いてしまった。 友達が幸せそうに笑っているすがたを見るのは、本当にうれしい。 あんなことも、こんなこともあったなあと思ったら、帰りの飛行機でも鼻がぐずぐずした。 結婚したら少しは泣きぐせが直るかと思ったのに、大切な人が増えれば増えるほど涙が出てしょうがない。 * 東京駅で少し時間ができたので、丸善をのぞく。 ああ、やっぱり本屋さんはいいなあ! (と言って、雪国でも毎週書店に通い、ほぼ毎日図書館で働いているのですがね) 4階に、松岡正剛さんの本屋in本屋「松丸本舗」ができていた。 ちょっとうす暗い、迷路みたいな棚のあいだに足をふみ入れた途端、ぶわっと心拍数が上がる。 ぶ厚い棚板を複雑に組み合わせた、背の高い書架。 本たちは、ちっともお行儀よく並んでいない。 前後二列に重なったり、わざと横置きに積まれている本もある。 松岡さんの書斎におじゃまして、棚を見せてもらっているような感じ。 興奮して、時間も忘れぐるぐる歩きまわる。 一冊の本は、ひとつの宇宙だ。 だからここには無数の宇宙が集まって、扉が開かれるのを黙して待っている、ということになる。 毎日通いたい、いや、いっそここに住みたい…とさえ思うけれど、こういう特別な場所は、ときどき冒険気分で訪れるのがちょうどいいのかもしれない。 書店の本には、もぎたてのレモンみたいな新鮮さと鋭さがあって、それはわたしを興奮させるけれど、毎日通うには少々刺激が強い。 「読んで読んで読んで!」と本たちがいっせいに話しかけてくるのだ。 図書館の本は、長くそこにとどまって大勢の人に読まれているから、角がとれておだやかだ。 「まあ、ひとつ腰を下ろしてわたしを読んでみませんか?」という感じ。 今度わたしが東京に来る日まで、どうかなくならずここで待っていてください、と祈るような気持ちで、丸善を後にする。 今日の収穫。 矢川澄子「兎とよばれた女」 杉崎恒夫「パン屋のパンセ」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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