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カテゴリ:図書館日記
リニューアルオープンした隣町の図書館へ行く。 ここは青山か? と見まごうような、すばらしいぴかぴかの建物。 中庭をはさんで、向かいにすてきなオープンカフェまである。 書架にはまだまだゆとりがあり、蔵書がぎゅうづめで入りきらないわが図書館とは大ちがい。 すべての本にICタグがついていて、カウンターを通さずとも、専用の機械に本を乗せるだけで貸し出しができる。 広さとか、環境とか、うらやましい点はたくさんある。 でも。 わたしは、やっぱり、わたしの図書館が好きだ。 歴代の図書館員とお客さんたちが、時間をかけて積み重ねてきた、ちょっとごちゃごちゃした雰囲気や、くふうを凝らして飾りつけたファンシーな館内。 固くてなかなか閉まらない排煙窓や、人がたくさん歩いてすり減った階段。 そういうひとつひとつを愛しく思えることが、馴染むとか、慣れるってことなんだろう。 本日の読み聞かせ。 長新太さんの「チョコレートパン」。 表紙に描かれている茶色い丸は、「チョコレートの池」です。 世界じゅうで長新太さんにしか描けない、インパクトと勢いのあるふしぎな絵。 パンがとことこ歩いてきて… チョコレートの池に入ったら、チョコレートパンの出来上がり! …と、ここで終わればふつうのおいしそうな絵本ですが、ここからが長新太ワールドのはじまり。 ぞうがやってくる、車がやってくる、動物たちもぞろぞろやってきてチョコレートまみれに。 このあたりで、子どもたちの目はまんまる、チョコレートの池にくぎづけ。 3歳くらいの、絵本を読みなれた女の子が「これでおしまいでしょ?」と声を上げる。 ふふふ… ここからが長さんの真骨頂なのよ、お嬢ちゃん。 最後の見ひらき、大さわぎに業を煮やしたチョコレートの池が、予想外の反撃(?)に出ます。 お嬢ちゃん、開いた口がぽかんとふさがらない。 お母さんたちも一瞬ぼうぜん。 男の子がひとり、大よろこびしてぱちぱちと手をたたいている。 絵本を読む前はいつも緊張するけれど、子どもたちの前に座ってページをひらくと、絵本がひとりでに子どもたちとお話をはじめるので、わたしは本のページをめくって、「黒いごにょごにょ」をちょっと説明する手助けをするだけ。 読み聞かせる…というよりは、絵本を通して一緒に遊んでいる、という感じ。 「チョコレートパン」はチョコレートを愛するすべての年齢のお子さんと、「チョコレートの池に飛び込みたいなあ」って思った大人のあなた(そう、あなたのことですよ!)におすすめします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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