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テーマ:好きな絵本教えて下さい(711)
カテゴリ:図書館日記
たなばた。 つとめ先の図書館では、先輩が庭(!)からとってきた大きな笹に飾りつけをして、訪れる子どもたちに短冊を書いてもらっています。 こんな七夕らしいたなばた、何年ぶりだろう。 * 読み聞かせ。 本日は、町の1歳6ヶ月検診に出張して、赤ちゃんとお母さんに絵本と出会ってもらう、「ブックスタート」という活動なのです。 図書館でおこなう読み聞かせ会より、もっと小さい子たちが対象だから、ストーリーよりは、絵のインパクトや音のおもしろさで本をえらぶ。 今回えらんだのは、この絵本。 かがくいひろし「おしくら・まんじゅう」。 赤いおまんじゅうと白いおまんじゅうが、いろんなものとおしくらまんじゅうします。 泣きむしのおまんじゅう、こんにゃく、なっとう、それから… むずかっていた子は声をたてて笑いだし、 大泣きしていた子も、ほっぺに涙の跡をつけたままにんまりする。 読んでいるわたしも、すごく楽しい。 かがくいさんの本は、無敵です。 絵がとってもかわいくて、やさしい。 大人が読んでも、きゅんとします。 それから、リズムの楽しさ。 言葉の意味がわからなくても、音を聞いているだけで楽しめる。 学校の先生をしながら、人形劇や造形作家として活動していたかがくいさんは、50歳で絵本作家デビュー。 4年のあいだに14冊のすてきな絵本を発表して、54歳の若さでこの世を去られました。 かがくい先生のやさしい絵本、もっともっとたくさん読みたかったなーとつい思ってしまうけれど、考えかたを変えれば、かぎられた時間に、14もの宝を残してくれたのだ。 この宝物を大切に受け継いで、子どもたちに幸せな時間を過ごしてもらうのが、わたしたちの役割。 「おしくら・まんじゅう」を読んだあと、長年読み聞かせをしているベテランのおばあちゃんが、わたしの肩をたたいて、「あなた、子どもいるの?」 いいえまだですと答えたら、「じゃあ、何か子どもと接する仕事してた?」 いいえ特に、とわたし。 「いつも子どもに絵本読んでるお母さんみたいな読みかたするから、てっきりお母さんなのかと思った」とおばあちゃん。 なんと言うか、じーんとうれしかったのです。 上手だねとか、聞きやすいねとか、そういうほめられ方をするよりも、ずっと。 ねえ、わたし、お母さんみたいって言われちゃったよ。 誰に言うともなく空を仰いだら、厚い雲のむこうで、見えるはずのない星がひとつ、ちりんとまたたいたような気がしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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