『喫煙者のスクラップブック』/アルフレッド・クロウィル 山愛書院発行2003.3.20 ISBN:4434030795 本体952円
☆ タバコ関連資料コレクションとして有名なアレンツ・コレクション(知らなかった)の中の一冊A few words about pipes, smoking & tobacco by alfred Crowquill,The New York public library, 1947, New York, U.S.A.を翻訳したもの 平背でほとんど正方形の可愛らしい冊子です。 アマゾンで題名だけで注文したため、ビクトリア朝時代の作品とは気がつきませんでした。 当時の風刺画家が書いたタバコに関する本なのですが、ビクトリア朝時代の人々がタバコをどう考えていたか、どう用いていたか分かり、とても面白い本です。 『ロビンソン・クルーソー』の中で、ロビンソンがタバコを薬に使う場面がありますが、19世紀にタバコがどのように薬として使われたなど興味深い話題がたくさん載っています。 一番意外だったのは、日本人にはホームズのイメージが強いせいか、19世紀イギリスは喫煙全盛時代のような印象が強いのですが、実は喫煙弾圧の時代だった事。 これは意外でした。そしてその一番大きな理由が「ビクトリア女王が大の嫌煙家だった事」だそうです。 シガーに関するムック本で、奥さんにタバコの臭いが家具やカーテンへ染みつくの疎まれ、男たちはスモーキング・ルームを作らざるを得なかったと記述されているのは読んだ事があったのですが、喫煙の習慣自体が自堕落な物と見なされていたとは知りませんでした。 これは、そんな時代に出された、数少ないタバコ擁護出版物の一冊だそうです。これを訳本に選んだ(財)たばこ総合研究センターの願いみたいなものも感じましたが、深読みのしすぎでしょうか? 今晩のワイン・チーズは昨日と同じCh.Peyrotとボーフォール パイプはう~ん何にしようか?Julius Veszかな、久しぶりにラタキア物を喫ってみよう、多分G.L.PeaseのRenaissance