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カテゴリ:エッセイ
寺山修司
『書を捨てよ、町へ出よう』 角川文庫 いまなおカリスマ的人気を誇る寺山修司の名著。 若者として一度は読んでおかねばならぬと思っていたところ、人から勧められたので読んだ。 確かに名著であり、読む価値はある。面白かったし、楽しめた。ただ、どうも頷けない。理屈というよりも感覚的に私とは合わなかった。 どちらかというと、私は町に出れないので書を取ったというタイプの人間である。 ラーメンよりもカレーが好きだし、一点豪華主義はいやでできることなら一定レベルに揃えたいと思う。(もっともそんな財力がないので結果としては一点豪華になってしまっているが、それは若者の場合たいていはそうなるだろう)ギャンブルは、博徒の映画を観たり、賭博のエッセイなどを読むのは嫌いではないが、実際にやる度胸もないし、そのことを「分別」だと思っている。 と、まあ、私は寺山修司的観点から見ると非常に退屈で凡庸な生き方を好んでいる。いや、好むと好まざるとに関わらず、そのような生き方しか知らない。自分でも月並みだとは思う。 しかし、そんな平凡で月並みな日々を送る私も、人から「(私の)存在自体が刺激的」と指摘されたこともある。私から見るとその人のほうがよっぽど刺激的な日々を送っているのだが。町に出た多くの若者から見れば、いまだに本と睨めっこしている私の方が変わり者なのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.04.15 14:28:57
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