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2007.09.02
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カテゴリ:教養・実用
宮崎正弘
『出身地でわかる中国人』
PHP新書



「北京愛国」「上海出国」「広東売国」。広大な中国の差異に富んだお国柄を紹介。これを読めば、もう「中国は…」と一括りにできなくなる!


「同じ“中国語”だ」といっても、例えば上海語(呉方言に属する)と北京語(北方方言に属する)とでは全然別の言葉だというのはもはや常識であろう。それと同様に“中国人”と一括りにされている人々も出身地ごとに全然異なる性格を持っている。

中国好きも中国嫌いもしばしば「中国は…」と、中国を一つのモノであるかのように論じている。しかし、あの広大な多民族国家、多言語国家の中国をそのように捉えるのは大変危険なことである。一つの衝撃的な出来事だけを見て、中国の全体をイメージしては判断を誤りかねない。
麻生太郎も演説や著作で、重慶で反日暴動が起きている一方で別の場所では10万人の中国人が谷村新司のコンサートで昴を大合唱した、というエピソードを紹介している。あらゆることに当てはまることだが、特に広大で複雑な中国の場合、多角的に見なければ中国の実情はイメージできない。もっとも、中共の言論統制や日本のメディアの恣意的な報道も、中国をイメージし難くさせている一因となっているのだが。

本書は出身地ごとに“中国人”を見ていくことで、“中国人”という一つの人種があるかのような幻想から脱却するための画期的な本である。地方ごとのお国柄や住民の気質の違いは、もはや同じ国の国民とは思えない。“中国人”と一括りにいわれる人々も出身地別に見れば、ドイツ人、イギリス人、フランス人、スペイン人の違いにも匹敵する差異を見出すことが出来るのである。
これほどまでに地方によって考え方が違うならば、自分たちの事は自分たちで決めるという民主主義の原則を適用すると、中国は一つの国ではいれないだろう。その上、大体の“中国人”は孫文が散砂と例えたように個人主義的傾向を持っている。これらの人々を一つの国に纏め上げるには、上から厳しく締め付けるしかないのかもしれない。大中華帝国を夢見る中共の統治が独裁になるのは、やむを得ないことなのか。
問題は、これほど違う地方色を持つ人々を一つにまとめる意義が果たしてあるのかである。グローバル化で一つにまとまっていく一方で、エスニックグループごとのアイデンティティーを見直す流れもある。現状を見ると急に中国が地方ごとに分断されるとは思えない。しかし、台湾やチベットの今後次第では、ありえないと一笑に付すこともできないのではないだろうか。





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Last updated  2012.04.14 18:05:06
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