【第66話】 10年後の神戸 ひらやんさま
(前略)
閑話休題。
日本中を震撼させた阪神淡路大震災から間もなく10年を迎えようというとき
に、今度は新潟を大地震が襲いました。他にも自然災害の多かった昨年ですが
、暮れにはまるで災害の年にトドメを刺すかのように、スマトラ沖地震が発生
し大津波による死者が15万人を超えようとしています。日本政府は復興支援の
一環として、800名余規模の自衛隊を派遣することを決定しました。
さて、ここでひとつの疑問が湧きませんか。
カンボジアのPKOに始まる自衛隊の海外派遣に目くじら立てて反対してい
た勢力が、今回はまるで何事もなかったように鳴りをひそめています。いつの
海外派遣でも、彼らが反対理由としていたのは「自衛隊を海外に派遣するこ
と」だったはず。スマトラ沖地震の復興支援が「人道支援」ならば、イラクへ
の派遣も「人道支援」です。戦争で傷ついた人を救うことと、災害で傷ついた
人を救うことのどこに違いがあるのでしょう。自衛隊の海外派遣に反対する日
ごろの態度とは180度違うご都合主義の感が拭えないのは私だけでしょうか。
(ひら☆やんさま)
「ひらやんのブツクサ独り言」バックナンバー
http://hirayan.okigunnji.com/
■いつも拝読し勉強させて頂いているひらやんさまのメルマガですが今回も
禿同!と言いたいですね。
例えばご都合主義の代表例はこの人、毎度お馴染み
kimdongsungさん。
インド洋大津波と国際政治 2005年1月7日 (kimdongsungさん)
日本としても、当然、自衛隊を被災地に派遣することが国益につながると思います。現地で日の丸を振って大いに目立つとなおさらいいかも。被災統計の数字は膨らみ続ける一方だから、それに乗じてイラクにいる自衛隊も津波の被災地に移してしまうと最高だと思います。
被災地で活動する自衛隊の姿には、現地の人もみんな違和感がないようですね。
「自衛隊はこういう事をすればいいんだ」と、日本国民が考えてくれれば喜ばしい限りです。
■はい、まさしくひらやん様の言っていることですね。
>被災統計の数字は膨らみ続ける一方だから、それに乗じてイラクにいる自衛隊も津波の被災地に移してしまうと最高だと思います。
要は
イラクの人々に助ける価値はなくてスマトラの人々には助ける価値があると断言しています。
もっとキツく言えば
「災害に乗じて自分の政治的願望を達成させよう」という人間として疑わざるを得ないことを
真顔かつ本気で言っているんです。
ものすごい
選民思想ですね。
で、結局こう言うことになります。
自衛隊を災害救助隊にしてみては 2005年1月9日 (kimdongsungさん)
以前自衛隊を災害救助隊にしてみたらどうかという意見を書いたところ多くの賛同や批判の意見をいただきました。
連休でもあるので、いろいろと考えているところです。
たとえばこんな意見がありました
仮に「災害救助隊」なるものを創設するとすれば、それは現在の自衛隊と
何ら変わりない規模の人員を必要とし、訓練や生活のために広大
なスペースを用意しなければならない。
だから災害救助隊なんて無意味ということなんだそうです。
しかし少し考えてみれば分かりますが、人員の規模は今より小さくできます。
軍事訓練は行なわず、救助訓練だけを行なえばいいのですから、当然、同じ人数なら自衛隊員より災害救助で有能になるでしょう。
軍隊や自衛隊にやらせるのはかなり効率が悪いですね。
専門であるべき元戦闘地域での地雷除去についてさえ、それを専門とするNGOのほうが上手です。
今、イラクで給水作業を行っている自衛隊にかかっているコストの1/100で、同じ量の給水をNGOはこなせます。
危険地域でも、NGOにはそれなりに知識と経験があるものです。NGOは単なるボランティア集団ではないのです。
アフガニスタンでタリバン政権が倒れた後、暫定政権樹立まで、NGOは外交の仲介役としても活躍しています。激しい戦闘地域からは外交官すら立ち退きます。最後まで残っているのはNGOとジャーナリストで、地域の有力者たちへの連絡方法について最新の情報を握っているのも彼らです。
やはり今の日本に必要なのは自衛隊よりも、NGOを中心にして災害復旧に精通した専門的組織を作ることだと考えます。
■実はこの人、以前の「
自衛隊をどうするか」という日記で同じようなことを言い出して猛反論にあいました。
ちなみにKim氏が
>阪神大震災の被災者として言わせてもらえば
>今のままの自衛隊では、ほとんどお役に立ちません。
と言ったにもかかわらず実はkim氏は被災地に住んでいた訳ではなく、
震災発生後すぐに東京に引き返したから自衛隊を見る事は物理的にほぼ不可能と言う事実が発覚した発端はこの日記ですw
しかも
「具体的にどう自衛隊は役に立たないんですか?」と言う質問には未だ答えて頂けておりませんがね。
話がそれました。
それでも懲りずに
「
自衛隊分割案」
「
自衛隊分割案2」
なるものを持ち出してきてさらに猛反論を浴びました。
しかも文頭にいきなり結論が書いてあります。
>私は自衛隊の分割・縮小、災害救助隊への変質を、何としても実現させたいのです。
結局、この人の本音はここなんですね。
で、出すたびに猛反論を浴びたにもかかわらずの今回です。
Kim氏に対する反論は私もずいぶんとお世話になったある本から引用しましょう。
こうも使える自衛隊の装備 江畑謙介著・並木書房
よく自衛隊を災害支援専門部隊に改編しろとか、平和維持活動専門組織にせよという主張がある。これは世界の現実から見て、間違っていると断言できる。
確かに自衛隊は災害救援活動に派遣され、大きな力となっている。陸上自衛隊の施設科部隊は土木建設機材を持ち、カンボジアのPKOでも道路建設に活躍した。だが、それらは現代の戦闘組織として必要とされる機能と装備だから、災害救援や平和維持・復興活動にも応用できたもので、土木建築専門集団ではない。
もし、陸上自衛隊を土木建築を専門とする組織に改編したらどうなるだろうか。このような組織は、その技術を維持し、隊員を訓練しておくために、常に何らかの土木建築作業を行なっていなければならない。それは民間土木建築産業を圧迫するだけではなく、その能力が必要な場合は、ただちにそれまで行なってきた作業を中止して、いつ戻れるか分からないままに、災害地や平和復興を必要としている場所に派遣されてしまう。道路を造っていたら、その工事は中止になったままである。逆に堤防工事を行なっている時には、すぐに別の場所に行けと言われても、ある程度作業を完成させなければ、その場所が洪水の危険に見舞われる場合もあるだろう。そのような部隊を保有するのは不可能である。
平和維持活動専門部隊でも、いつどれだけの規模でどのような任務に派遣されるか分からないのに、常に隊員を訓練し、装備を整えておかねばならない。平和維持・復興活動といってもいろいろで、その国や場所によって平和維持・復興活動に派遣される部隊の規模、能力などに差が生まれる。およそあらゆる非常事態を予想して、それに対応できる能力を持っているのは軍隊であり、そのような組織を「実際に使わないために」平時から維持するのが正当化されるのは、国防軍だけである。
「実際に使わないため」が基本的役割であっても、必要な時には使える能力がない限り、抑止力は生まれない。それゆえ、突発する災害や平和維持活動のような任務にも対応できる能力がある。
だから平和維持活動には、各国が、その軍隊から、国家安全保障が大きく阻害されない範囲で供出するのであって、軍隊を廃止して平和維持活動専門の部隊や、災害派遣専門組織にした国は、世界のどこにもない。にもかかわらず、日本では災害救援専門部隊だの、平和維持活動専門部隊だのの構想が、何の疑問も持たれず、あたかも現実的な案のように論じられてきた。
自衛隊の装備形態は変わらねばならないだろうし、既存の装備も多様な使い方をされる必要があるだろう。だが、それは国家防衛の武装組織としての自衛隊の本質を変えなければならないというものではないし、戦車やミサイルをなくせというものでもない。それを踏まえた上でも、なお自衛隊の装備とその使い方には、現実の世界の変化に則した変化をする余地があるだろうと思われる。
そのような議論をするにあたり、本書が何らかのご参考になれば、筆者としてこれに勝る喜びはない。(おわりにより抜粋)
■どちらの意見がより現実的かつ正しいかの判断は読者の皆さんに委ねようと思います。
いいぞ ベイべー!
突っ込まれて逃げる奴は売国奴だ!
突っ込まれて逃げない奴は
よく訓練された売国奴だ!
ホント 楽天は地獄だぜ! フゥハハハーハァー!