自衛隊海外派遣、国連決議なしで可能に…恒久法案骨子 1月12日3時18分 (読売新聞)
政府が、海外の紛争後の復興や多国籍軍による紛争処理など、国際平和活動への自衛隊の協力を可能にするために検討している恒久的な法律案の骨子が11日、明らかになった。
国連決議がない多国籍軍への後方支援のための派遣を可能にする。これまで認めていなかった軽度の治安維持活動や警護任務、任務遂行目的の武器使用も可能にする。政府はイラク情勢などを見極めながら、2005年度中にも国会に提出したい考えだ。
法案骨子は内閣官房の準備チームが昨年末に作成、責任者の樽井澄夫内閣府国際平和協力本部事務局長が細田官房長官に報告した。
恒久法案は、自衛隊の海外派遣に当たり、その都度、根拠法を作成して対応している現状を改め、恒久的に国際平和活動への自衛隊の協力を可能にしようというものだ。自衛隊の海外派遣に関しては、国連平和維持活動(PKO)協力法があるが、PKOが展開されない場合には同法を根拠に自衛隊を派遣することは出来ない。
このため、インド洋などでの「テロ掃討作戦」支援に当たってはテロ対策特別措置法を、イラクへの自衛隊派遣ではイラク復興支援特別措置法を策定して対応してきた。
恒久法は、現行のPKO協力法やテロ特措法、イラク特措法を吸収し、自衛隊だけでなく警察官、海上保安官、文民専門家などを国際平和活動に参加させるための根拠法とする。インドネシア・スマトラ島沖地震のような災害支援は、恒久法制定後も現在と同じく国際緊急援助隊派遣法を根拠に派遣する。
恒久法案による自衛隊派遣は、〈1〉国連平和維持活動〈2〉人道的な国際救援活動や国際的な選挙監視活動〈3〉テロ特措法、イラク特措法のように国連決議に基づく多国籍軍への支援活動〈4〉国連決議のない多国籍軍への支援活動――の4種類とする。〈4〉のケースは、国連決議採択が難航したり、米国中心の有志連合などに協力する場合を想定している。
現行のPKO協力法などとの違いは、治安維持活動や警護任務を認めることや武器使用にあたっての条件の緩和など。治安維持活動は、非戦闘地域でのパトロールや偵察など軽度の任務に限定する。これまではできなかった政府職員や民間人の警護任務も行えるようにする。民間人などがテロリストに襲撃された場合、自衛隊が救助に向かう「駆けつけ警護」も認める。
内戦状況下のPKOが増えている現実を踏まえ、PKO協力法にある参加5原則のうち「紛争当事者間の停戦合意」の要件は削除する。
政府開発援助(ODA)が開始されるまでの「つなぎ」として現地部隊による無償資金供与制度を新設する。自衛隊の活動範囲は「非戦闘地域」に限定し、治安維持など危険度の高い活動については、「日本を含む国際社会の平和と安全の確保に資する」と判断した場合、国会の事前承認を義務づけたうえで派遣する。
(後略)
■具体的な点を記事から抜き出すと
・派遣形態は4パターン
〈1〉国連平和維持活動
〈2〉人道的な国際救援活動や国際的な選挙監視活動
〈3〉国連決議に基づく多国籍軍への支援活動
〈4〉国連決議のない多国籍軍への支援活動
・自衛隊の活動範囲は「非戦闘地域」に限定
・正当防衛や緊急避難に限定していた武器使用を任務遂行にも緩和。
・内戦状況下のPKOが増えている現実を踏まえ、PKO協力法にある参加5原則のうち「紛争当事者間の停戦合意」の要件は削除。
・政府開発援助(ODA)が開始されるまでの「つなぎ」として現地部隊による無償資金供与制度を新設。
・治安維持活動や警護任務を認める。
・政府職員や民間人の警護任務も認める。
・民間人などがテロリストに襲撃された場合、自衛隊が救助に向かう「駆けつけ警護」も認める。
・治安維持活動は、非戦闘地域でのパトロールや偵察など軽度の任務に限定。
・治安維持など危険度の高い活動については、「日本を含む国際社会の平和と安全の確保に資する」と判断した場合、国会の事前承認を義務づけたうえで派遣する。
となります。
派遣パターンについては
・国連平和維持活動→
PKO協力法
・人道的な国際救援活動や国際的な選挙監視活動→PKO協力法
・国連決議に基づく多国籍軍への支援活動→新規追加
・国連決議のない多国籍軍への支援活動→
テロ対策特措法、
イラク特措法
と今まである法律を吸収し、新規に任務を付け加えて出来るのが今回の
「海外派遣恒久法案」言うことですね。
法案の内容について中でも
>これまではできなかった政府職員や民間人の警護任務も行えるようにする。
これについてはやはりイラクで亡くなった奥大使、井ノ上一等書記官の教訓でしょうかね。
そして
>民間人などがテロリストに襲撃された場合、自衛隊が救助に向かう「駆けつけ警護」も認める。
これはカンボジアPKOの際に「情報収集班」と称して実際には当時は「PKF本体業務」として凍結(
2001年12月の法改正により、PKF本体業務の凍結は解除)されていた「巡回」、つまり「選挙投票所パトロール」を行い「医療支援班」と称して「駆けつけ警護」が行えるように準備していました。
その際、法律と現実の狭間での現場の苦悩は「
兵士に聞け」の「第5部 帰還」に克明に記されています。
しかし
>自衛隊の活動範囲は「非戦闘地域」に限定
やっぱりここは譲れませんか・・・
この部分だけは憲法改正まで積み残す課題のようですね。
ちなみにどうで聞こえるであろう反論を先に突っ込んでおくと
「自衛隊の海外派遣恒久法」と言うのは正しくありませんね、記事中に書いてあるように正しくは
「自衛隊、警察官、海上保安官、文民専門家などの海外派遣恒久法」です。
まぁどうせ
あの人とか
この人とか
その人に
「海外派兵恒久法」
と呼ばれるのは分かりきっていますがねw
どうせなら
「海外派遣恒久法」などという
頭の弱い人たちに勘違いされそうな名前ではなくて
「国際平和協力活動協力法」とか
大義名分を前面に押し出した名前にして欲しいですな。
参考リンク
・
国際平和協力本部事務局
<社民党>有志らが防衛庁幹部を刑事告発へ 陸自改憲案問題 1月13日21時25分 (毎日新聞)
陸上自衛隊幹部が自民の中谷元・元防衛庁長官の要請で安全保障に関する憲法改正案を作成した問題で、社民党の国会議員有志は13日、この陸自幹部を自衛隊法違反の疑いで東京地検に刑事告発する方針を固めた。告発を予定している田英夫参院議員らは「自衛官の政治的行為を禁じた自衛隊法61条に違反している」と訴える。
■おやおや、
泡沫政党の
耄碌議員こと
田英夫が何か言っていますよ。
バカに権力とか権利を与えるとろくな事がありませんねw
6月5日、参議院「武力攻撃事態への対処に関する特別委員会」での田英夫議員と小泉総理の応答 (電脳補完録)
田英夫:
だんだん戦争体験者が少なくなってきた、そういう中でもうそろそろ憲法改正していいじゃないか、いうような気持ちが、総理を始め皆さんの中にあるとすれば、私は死ぬわけにはいかない。いつまでも生きていかなくちゃなりませんよ。その戦争体験者の、そしてまた戦争犠牲者の貴重な体験というものをもっと大事にしていただきたい。いかがでしょう。
小泉総理:
憲法についての議論は今までも様々なされておりましたし、現在、国会でも憲法調査会で議論されております。自由民主党も結党以来、自主憲法制定、というのを党是にしております。
自衛隊がなく、いかなる戦力も保持しない非武装だから、平和が守れるんだ、独立が守れるんだ、という考え方があるのは承知しております。しかし、そういう考え方に私は同調出来ません。諸国民の公正と信義に信頼して日本は武力を持たない、自衛隊を持たない、いざ侵略勢力があったら何も闘わないで降参します、ということが相手の侵略を防げるかとは思っておりません。
諸国民の公正と信義。その公正と信義のない国もあるのも過去の歴史が証明しております。つい最近、イラクもクウェートを侵略しましたね。あるいは、様々な国々がその歴史の中で何回も侵略を繰り返し、戦争、紛争を繰り返しております。だから日本だけが戦力を持たない、自衛隊を持たない、軍隊を持たなければ、相手も安心して何もしない、というのはあまりにも危険ではないでしょうか。
私は、実験がきかないんですこれ、一度侵略されちゃったらあとどう出りゃいい、かつてのソ連のあとの圧政に苦しんだ国々がどれだけあったか。ソ連が今ロシアに変わって民主主義の政体に変わろうとしているのは、私も歓迎しておりますが、ひとたび、全体主義、独裁主義に羽交い締めされた国はどれだけ自由を失ってきたか。
こういうことを見ると私は、単なる奴隷の平和じゃなくて、平和であったらやはり自由に、基本的人権を謳歌しながら、日本の平和と独立を維持しなくてはならない。戦争はイヤだ、侵略されたほうがいい、確かに戦争をしなければ侵略されてその国の独裁にまかせれば確かに戦争は起こらないかもしれません。それだったらもう、奴隷の平和です。私は奴隷の平和は選ばない。やはり平素から日本の平和と独立を侵そうとする勢力に対しては断固たる決意をもって抵抗するという、その備えがあって初めて戦争は防げるのではないでしょうか。
■あんたが奴隷の平和を選ぶのは勝手ですよ。
でもあんたは
国会議員、あんたの勝手な願望を国民に押しつけるのは勘弁してくれと。
・・・お願いだからとっとと
英霊同志の元に旅立ってくれw