テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:災害関連
■なるほど「ドイツに見習え!」ですか。 どこかで聞いたようなかけ声ですねw まぁそれはさておき、ドイツに見習うとすれば日本も内務省を復活させないといけませんねぇ。 報ステで登場したにはドイツの「技術救援活動隊(THW)」ですが、これら冷戦期につくられた民間防衛法制に基づいて「連邦民間防衛庁(BZS)」「連邦自主防護連盟(BVS)」「技術救援支援隊(THW)」などの組織を統括するのは連邦国防省ではなく連邦内務省の管轄ですからw 内務省というのは「主に国内安寧保護の事務を管理」する省庁で、かつてあった内務省の場合は「地方行政・警察・神社・選挙・土木・衛生・都市計画・地理・出版・著作権・拓殖などに関する事務を管理し、北海道庁長官・府県知事を監督」する中央官庁でした。 1947年の内務省解体に伴い、内務省の権限のうち地方局は自治省へ、国土局の管掌は建設省へ、警保局の機能は法務省と国家公安委員会・警察庁へ、それぞれ移管されました。 ということで、内務省復活∩( ・ω・)∩ばんじゃーいw 冗談はさておき。 流石にこれを日本で復活させるのは不可能ですから、アメリカの連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)に習ってせめて大規模災害時や有事の際に救援・復旧活動を統括する「緊急事態管理庁(Japanese Emergency Management Agency)」を設立すべきでしょう。 ・・・おっと、別の話ですねw 閑話休題 要はドイツは東西冷戦という脅威にさらされていた訳で、日本より民間防衛先進国であるがゆえの組織であると言えるわけです。 しかし、ご存じのように日本も冷戦時代は対ソ最前線だったわけですが陸続きの欧州ほどの脅威には晒されませんでした。 日本海という天然の要塞があったからで、当時ソ連には海を渡って渡洋侵攻する能力はなかったと言われていますが、当時は10個師団中の4個師団(当時)が北海道に配備され、日本で唯一の機甲師団である第7師団や第1戦車群、第1特科団や第1高射特科団など比較的規模の大きい部隊が北海道に重点配備されていました。 無論、広い北海道の多くの部隊が配備されているのは当然かもしれませんし、単純に広い演習場で訓練できるからというものあるでしょうがw 冷戦期に民間防衛法制を完成させたドイツと、有事法制はできても未だに民間防衛法制すら整っていない我が国とでは民間防衛に対する考え方に大き違いがあり一概に比べるべきではないというのが結論でしょう。 さて日記に戻ります。 >「ああいう大変なところは民間人は無理、軍隊がいいのだろう」という思い込みを打ち砕く内容でした。 >軍隊は確かに大雑把な救援物資の輸送は出来ますが、生活の建て直しに通じるような、きめ細かい救援活動は出来ないのですね。 根本的に「ああいう大変なところは民間人は無理、軍隊がいいのだろう」という思い込みが間違っているんですがね。 軍隊の災害時の役割は「大規模人員投入能力=マンパワー」と「ヘリコプターなどによる輸送力」で、これらの能力は他の公的機関にはない軍隊特有の能力と言えます。 あと、自衛隊の場合特筆されるべきは「大量給食能力」と、日本特有の「風呂提供能力」w で、 >軍隊は確かに大雑把な救援物資の輸送は出来ますが、生活の建て直しに通じるような、きめ細かい救援活動は出来ないのですね。 この部分は当然のことを言っているに過ぎません。 ボランティアが良くて軍隊はダメと言う「善悪二元論」ではなくて両方に良いところがあり悪いところがある、お互いがお互いに補完し合えばいいと言う発想にならないのが彼女の最大の欠点です。 >救援活動の歴史とノウハウの蓄積あってのことでしょうが。 >こういう活動はその国なりの理念と方法でやればいいという、当然の事実を目の当りにする思いでした。 そうです、その通りですよ。 前述のようにドイツと我が国の国情をまずは比べるべきでしょう。 例えばちらっと前述した「FEMA」は核戦争の際の被害極限を前提にして作られた組織と言われています。 ですから我々は「その国なりの理念と方法」に則って自衛隊を送り出しているだけのこと。 なんで「その国なりの理念と方法」を捨ててドイツの事例にすがるんですか? さて、軍隊の災害時の役割は「大規模人員投入能力=マンパワー」と「ヘリコプターなどによる輸送力」と言いましたがそれを象徴するような事例がスマトラでありました。
インド洋津波 海自のホーバークラフト 復旧工事に貢献 アチェ州西海岸にショベルカーを搬入する海上自衛隊のホーバークラフト 岩崎日出雄写す(毎日新聞)17時46分更新 ■このホバークラフト(正確にはLanding Craft Air Cushion:エアークッション型上陸用舟艇)を積んでいるのは「輸送艦」という日本名の「強襲揚陸艦」なんですが、この強襲揚陸艦とLCACの本来の役割は「敵前上陸」です。 LCACの典型的な任務は ↓ 強襲揚陸艦からの発進 ↓ 急襲下の海岸や内陸部への高速輸送 という感じで第二次大戦までは揚陸艦が直接海岸にビーチング(擱坐着岸)する戦車揚陸艦(LST)が主力でしたが、LSTの場合には着岸する時にバラストを調整して艦首を上げ接近、着岸直前に艦尾の錨を下ろしてから、艦首バラストに注水、艦首を下げて着底。 離岸するときは、バラストを調整して艦首を上げ艦尾の錨を巻き上げて後進をかけ離岸と、手順がややこしい上にもし着岸してから引き潮になった場合離岸できない船が続出と言うこともあったそうな。 そこで注目されたのが「ホバークラフト」で、ホバークラフトは機体の下面から圧縮空気を吹きつけて地上および水上すれすれの高さを走る訳で、着岸も容易なら離岸の際もそのまま浮上して回転すればいい訳ですからLSTより簡単です。 また、LSTの場合は船と一緒ですから海面下に障害物や機雷を仕掛けられたらおしまい、自分の喫水線より浅いところにはいけないし構造上箱形をしていないといけないので航行性能にも問題があり低速というネックがあったわけです。 LCACの場合は約4フィートほど浮き上がって走行するので海上では海の深さ、海面下の障害物、浅瀬、潮流に関係なく走行でき、陸上でも4フィート以下の障害物であれば、沼地、砂漠、溝、土手などの地形に関係なく走行できるわけです。 これにより従来のLST型と違って完全な水陸両用と言えるわけで、従来型では世界の海岸線の17%でしか上陸作戦ができませんでしたが、LCACの場合は70%以上になるといいます。 この様にLCACは最大時速は約74kmで積載容量は60~75トン、行動範囲も「時速74キロで320キロメートル/時速65キロで480キロメートル」と「高速性・機動性・完全水陸両用性」が売り物です。 また、LCAC母艦の強襲揚陸艦など上陸用艦船は上陸部隊を多数搭乗させ敵前に上陸させるという特質のため、多数の人員や物資を乗せる事ができ、病院設備を保有しているケースも多い為、災害時には物資輸送艦や避難民の収容所としても利用できます。 いつも言っていることですが江畑謙介氏の「こうも使える自衛隊の装備」ですが、この本の第一章のタイトルの通り「強襲揚陸艦だろうが空母だろうが、人道支援にも有効だ」と言うことなんですね。 参考リンク ・1968年西ドイツ「緊急事態憲法」における緊急事態類型(有事戦略研究会) ・米国における地震災害の対応(FEMA)(Nagura's Space) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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