テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:「バカの壁」シリーズ
~「所謂従軍慰安婦」の存在証明~ さて、先日の日記「【海軍慰安所】 第57回「バカの壁・再」45 【マリヤの讃歌】 」で紹介した「所謂従軍慰安婦」論争ですが別のところで新たな展開を見せております。 本家の日記では赤かぶ氏が ■と、よりによってあの河野談話を持ち出してきました。 まず根本的に河野談話及びそれに付随する調査報告の信憑性には重大な疑義があると言うことを指摘しておきます。 これに関しては詳しく後述します。 まず「所謂従軍慰安婦」の定義ですが詳述すればきりがないので以下の二点に絞ります。 1.国、軍による強制連行 2.国、軍による強制売春 です。 ここで重要なのは国家及び軍の関与と強制性です。 強制性と言ってもあの吉見義明教授の様に >その女性の前に労働者、専門職、自営業など自由な職業選択の道が開かれているとすれば、慰安婦となる道を選ぶ女性がいるはずはない・・・たとえ本人が、自由意思でその道を選んだように見えるときでも、実は、植民地支配、貧困、失業など何らかの強制の結果なのだ。 (岩波新書「従軍慰安婦」P103) とは言いません。 当時は売春が合法で、時代が時代ゆえに日本だけに限らず朝鮮半島などでも貧困のために親などに身売りされる女性も少なくありませんでした。 しかし「所謂従軍慰安婦」の主張するように国家や軍が強制的に連行して売春させるのであれば「強制連行」「強制売春」であり国家的犯罪と言えます。 ですが、民間業者が親から買い取り売春婦にすることには確かに「強制性」はありますが当時としてはよくあることであり特に珍しいことではありません。 ここまで「強制性」を広く解釈すれば、従軍慰安婦だってなんだって創作するのは簡単です。 こう言う言い方が相応しいのかどうか分かりませんが、現代の風俗で働く女性の中にも貧困や失業などの結果働く方もおられるでしょう-無論、風俗嬢という職業に誇りを持っておられる方もおられるのも事実でしょう-が、それを「国家による広義の強制の結果」と言うのは相応しいと思いません。 無論、国家がその風俗嬢に謝罪と補償をすべきだというレベルの問題ではありません。 さすがにこのような論理的に無理のある「暴論」では良識ある国民の理解を得られるはずもなく、国内の慰安婦問題に関する関心は急速に冷めていって現在に至るわけですが・・・。 で、彼は >(某S注・慰安所には)軍直営と間接があったといっています。 と主張しています。 これもきちんと読めば分かる悪質なトリミングですね。 河野談話の言っていることが100%正しいと仮定しても彼の引用した河野談話には >慰安所の多くは民間業者により経営されていたが、一部地域においては、旧日本軍が直接慰安所を経営したケースもあった。 と、慰安所の多くは民間だったと書かれています。 河野談話を以てしても軍の直接経営は-仮にあったと仮定しても-一部地域に限定されると言うわけです。 で、彼の言う「間接」というのは >民間業者が経営していた場合においても、旧日本軍がその開設に許可を与えたり、慰安所の施設を整備したり、慰安所の利用時間、利用料金や利用に際しての注意事項などを定めた慰安所規定を作成するなど、旧日本軍は慰安所の設置や管理に直接関与した。 >慰安婦の管理については、旧日本軍は、慰安婦や慰安所の衛生管理のために、慰安所規定を設けて利用者に避妊具使用を義務付けたり、軍医が定期的に慰安婦の性病等の病気の検査を行う等の措置をとった。 と、軍が慰安所の設置や管理に直接・間接的に関与したと言うだけであって間接的に経営したという訳ではありません。 そんなことを言い出せば現在の風営法こと「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」でも「風俗営業」-キャバレー、クラブ、パチンコ店、麻雀店、ゲームセンターなど-には公安委員会の許可が「性風俗特殊営業」-所謂風俗店-に関しては同委員会への届け出がいります。 だからといってキャバレーやパチンコ店、風俗店を公安委員会が経営しているとは言わないわけですね。 さて、この「間接関与」については少しばかりの軍事的な知識があれば理解できるのですが、理由はと言えば戦地や占領地では「軍政」が行われているからですね。 簡単に解説すると「軍政」とは「武官(軍人等)が行政・司法・立法の三権の全部あるいはその一部を執行すること」です。 反対語は「民政」であり「文官(役人等)が行政・司法・立法の三権の全部あるいはその一部を執行すること」ですね。 ですから「台湾総督府」という行政府があり民政下であった台湾の場合は【海軍慰安所】 第57回「バカの壁・再」45 【マリヤの讃歌】 」にも見られるように >馬公市庁で娼妓の鑑札をもらい、名実共に奴隷の生活が始まりました。 と「馬公市庁」つまりは馬公の行政府に出向いて「娼妓の鑑札」つまり売春の許可証を貰っています。 これが軍政下であればどこに許可を求めるかというのは考えれば分かりますね。 さて、次に「売春宿」を開設しようとすればまず開設する施設の確保をしなくてはいけません。 どうやって施設を確保するか、例えば内地であればそれ相応の建物を業者が見つけてくるしかないでしょうが、戦地であれば部隊の基地以外に大きな建物がない場合や、占領地ではめぼしい建物は軍に抑えられていたりしてそうもいきません。 そうなれば軍に相談して施設の便宜を図って貰うのがいちばん早いと言うことですね。 当然戦地や占領地への慰安婦の移送についての便宜も軍に頼むのがいちばん早い訳です。 では軍はどう言った観点からこれらに便宜を図っていたのでしょうか? 軍の利益としては将兵による強姦抑止やきちんと衛生管理による性病蔓延防止が挙げられますが恐らくいちばん大きいのは士気高揚でしょうね。 強姦抑止は治安維持の観点からも必要ですしね。 占領軍というのは兎角現地人と諍いがちですが、不要な諍いを起こさないにこしたことがないというのはイラク戦争を見ていても感じることです。 かといって全く野放しにするわけにもいかないわけですね。 もしかしたら業者が売春婦から搾取しているかもしれないわけですし、衛生管理が行き届いていなければ性病の温床となって逆に軍の戦力を低下させる原因にもなりかねず、そうなれば本末転倒と言うものです。 河野談話とそれに付随する報告書には「軍の間接・直接的な関与」として以下のようなものを挙げています。 1.開設許可付与。 2.施設整備。 3.利用時間、利用料金や利用に際しての注意事項などを定めた慰安所規定を作成。 4.慰安所規定を設けて利用者に避妊具使用を義務付け。 5.軍医が定期的に慰安婦の性病等の病気の検査を行う。 1.に関しては既述のように軍政下であれば当然軍が行う「行政行為の一環」でありそれを「軍の関与」というのであれば国内で行われていた売春も「国の関与」と言わなくてはいけません。 民政下であれば警察や役所が許認可権を持ち監督していたわけですから、軍政下にあれば戦地や占領地の行政機関である軍が行政行為を行うのは当然です。 2.に関して、民政下にない戦地や占領地であれば軍に便宜供与依頼するのがいちばん早く、軍としても主に軍人が使用する売春宿であれば施設整備に関与していたとしてもおかしいことではありません。 3.4.5について、「所謂従軍慰安婦」の事を「セックススレイブ」「軍用性奴隷」と言う言い方をする人もいるようですが、本当に奴隷として扱われていたのであれば何故そこまで気を遣う必要性があるのでしょうか? 奴隷ではなく、一般の売春婦と同じ扱いであったからこそ利用規定を作成-流石「法匪」の面目躍如とも言えなくもありませんが-し、避妊具の着用を義務付け、定期的に性病等の検査を行っていたわけです。 内地の吉原などの遊郭でも定期的に遊女に対して性病や妊娠の検診があったと言う既述は様々な書物に出てきます。 と言うことは、戦地・占領地であれ内地であれ扱いに殆ど変わりはなかったと言うことでしょうね。 これら軍政下であれば当然行う軍の行政行為を取り上げて >民間業者が経営していた場合においても、旧日本軍がその開設に許可を与えたり、慰安所の施設を整備したり、慰安所の利用時間、利用料金や利用に際しての注意事項などを定めた慰安所規定を作成するなど、旧日本軍は慰安所の設置や管理に直接関与した。 と言うのは不当としか言えません。 これを言い換えると 民間業者が経営していた場合においても、地方市庁がその開設に許可を与えたり、慰安所の施設を整備したり、慰安所の利用時間、利用料金や利用に際しての注意事項などを定めた慰安所規定を作成するなど、日本政府は慰安所の設置や管理に直接関与した。 とも言えることで、当時売春が合法であったと言うことを考えれば取り上げて軍の行為だけを非難するのはおかしいと言うことです。 繰り返すように、軍が直接・間接に関与したのは民間と軍のお互いの利益の一致した結果であって、強制性という点は無視して何らかの形で軍の関与があった=「所謂従軍慰安婦」が存在したなどとは笑止千万です。 その2へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.06.09 15:41:15
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