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2005.10.23
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テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:国防・安保問題
日本版「動く海上基地」で高速輸送艦を導入 政府、米に伝達 2005年10月23日 (産経新聞)
 政府が米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)をめぐり、高速輸送艦を導入する方針を米側に伝えていることが二十二日、分かった。米軍が地球規模で進める「シー・ベーシング(海上基地)」構想の日本版。中国による東シナ海の離島侵攻などに対応する戦闘部隊や物資集積の海上基地となり、インド洋大津波のような大規模災害でも機動的に展開できるようになる。

 日米両政府は二十九日にも日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開き、米軍再編の中間報告を策定。有事や国際平和協力活動で自衛隊と米軍の輸送協力を拡大する方針を明記するが、高速輸送艦の導入はその具体策と位置づけられる。

 日本が導入する高速輸送艦は、海上自衛隊が保有する最大艦艇の補給艦「ましゅう型」(一三、五〇〇トン)を上回る大型艦を想定。甲板ではヘリコプターのほか、偵察機などの航空機の離着陸も可能にするが、攻撃型の空母とは運用も装備も異なっている。

 政府は早ければ、平成十九年度予算にも研究費を盛り込み、二十年度から建造などに着手したい意向だが、コスト面で新規購入は困難との見方もある。このため、来月に東京-小笠原・父島間で就航を予定しながら、東京都が導入を事実上断念した超高速船「テクノスーパーライナー」(TSL、一四、五〇〇トン)を改造、転用する案も浮上している。


 高速輸送艦を導入する最大の理由は、日本有事や周辺事態の際、自衛隊の部隊や装備を現地に緊急展開させる能力を向上させるためだ。特に昨年十一月の中国原子力潜水艦による先島諸島の領海侵犯など、中国が東シナ海の離島に侵攻する脅威は高まっており、米軍再編でも離島防衛における日米の共同対処は主要なテーマとなった。

 だが、先島諸島には陸上自衛隊が駐屯しておらず、弾薬や燃料なども常備されていない。有事に備え、これらを備蓄しておく「事前集積拠点」の確保も課題とされてきたが、高速輸送艦の導入で集積拠点の機能を代替でき、米軍への後方支援も可能になる。

 昨年十二月のインド洋大津波と今月のパキスタン地震では航続距離の長い輸送機を保有していないため自衛隊派遣が遅れたが、高速輸送艦はこうした欠陥もカバーする。

(後略)
■いやはや時代は変わったものです。
おおすみ型で国民の目を空母に目を慣らしといて次は飛行甲板付高速輸送艦ですか。
しかし「高速輸送艦」とは名ばかりのようで

>日本が導入する高速輸送艦は、海上自衛隊が保有する最大艦艇の補給艦「ましゅう型」(一三、五〇〇トン)を上回る大型艦を想定。甲板ではヘリコプターのほか、偵察機などの航空機の離着陸も可能にするが、攻撃型の空母とは運用も装備も異なっている。

とうとうおおすみでは出来なかった航空機の発着艦も可能にしてしまうようです。
15000tクラスで飛行甲板があって航空機の発着が出来るって、これに舷外エレベーターでもつけて飛行甲板下に格納庫ついたらまんま軽空母ぢゃないですかw
「サイレントネイヴィー恐るべし」とでも言うべきなんでしょうか。

ちなみに「テクノスーパーライナー」とは
テクノスーパーライナー(TSL) - 三井造船(三井造船)
テクノスーパーライナー(TSL)
■ 概要
テクノスーパーライナー(TSL)は、三井造船の先進技術により開発された、21世紀の高速海上輸送を担う船舶です。
TSLは船体重量を支える浮力・揚力・空気圧力の組合せにより、高速化・大型化を達成しています。
カーフェリー、RORO船、コンテナ船、客船、防災船等、超高速性能を生かした様々な用途に適応が可能です。
なお、TSLの建造・運航等の全般に関する国土交通省のご指導と、その開発に関しては、鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び日本財団のご支援を得て進められております。

■ 特長
高速による輸送時間の短縮
荒天時の優れた耐航性能
高付加価値貨物の大量輸送
■だそうな。
難しく言うと「空気圧力式複合支持船型」と言うらしいんですが簡単に言えば船とホバークラフトの合いの子っぽいですね。

静岡県が清水港~下田港間に「テクノスーパーライナー 希望」(5000tクラス)と言う船を運行させていたらしいのですが昨今の燃料費高騰の影響で現在は運行停止中だとか。

転用が検討されていると言われる東京小笠原間を結ぶはずだった船は東京都知事閣下の肝いりで三井造船が製造しているらしいのですが
小笠原航路の超高速船 テクノスーパーライナーの命名・進水式を挙行(三井造船)
[小笠原航路TSLの概要]
船名 SUPER LINER OGASAWARA
総トン数 約14,500トン
全長x全幅x高さ 約140m x 29,8m x 10,5m
主機関 航空転用型ガスタービン 2基
推進器 ウォータージェットポンプ 2基
浮上機関 高速ディーゼル機関 4基
最大速力 39ノット(時速約72km)
航続距離 約2,200km
最大旅客定員 740名
最大貨物積載量 210トン
■こんな感じの性能で

SUPER LINER OGASAWARA
(株)テクノ・シーウェイズより

外見はまぁこんな感じだそうです。
これに飛行甲板をくっつけるとなると旧海軍の補助空母っぽい仕上がりになりそうで、どうにも転用しにくそうな感じですねw

しかもテクノ・シーウェイズの8月のニュースリリースによれば東京都はこの船の小笠原航路就航は諦めていないとのことで、おそらくは言ってみただけの感が強くなりそう。
何よりおおすみよりちっちゃいですからねぇ。

話は変わりますが、身も蓋もなく言い切ってしまえば人道支援とは相手国公認の侵略のようなものです。
相手国の許可があるのが人道支援で許可がないのが侵略、運ぶ物資も被災者救援用なら人道支援で戦闘部隊なら侵略と。

スマトラ沖地震の際も書きましたが根本的なところで国際協力活動だろうが何だろうが海外展開能力って言うのはとどのつまり「外征力」であり「海外侵攻能力」なんですよね。
前述のように要は相手国の許可があるかどうかと運ぶのが「侵攻部隊」か「援助部隊」かの差だけなんですよ。
米帝がこう言う大災害時に迅速かつ大規模に部隊や物資を派遣したり送れるのは、結局半世紀以上にわたって研ぎ澄まされてきた外征型軍隊の世界一の海外展開能力が根底にあるわけで、その備えのない我が自衛隊にそれを求めるのは無茶と言うものです。

毎度毎度の登場ですが江畑謙介氏の「こうも使える自衛隊の装備」の第一章のタイトルは「強襲揚陸艦だろうが空母だろうが、人道支援にも有効だ」なんですね。
強襲揚陸艦-より正確に言えばドッグ型揚陸艦-を既に保有している我が国が次に空母型高速輸送艦を欲するのはまぁ当然なのかもしれません。

・・・この記事を最初に見たときに「輸送艦+飛行甲板」と聞いて丙型陸軍特殊船秋津丸が頭に浮かんだ俺は旧軍ヲタですねw





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Last updated  2005.10.23 10:05:15
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