【CSSC-2】 スティックスとシルクワーム 【SS-N-2】
北、ミサイル発射 米確認、日本海に向け1発 5月2日2時56分 (産経新聞) 防衛庁に一日入った連絡によると、北朝鮮が同日午前八時すぎ、東部沿岸から日本海に向けて短距離のミサイル一発を発射した。発射時に放出される赤外線を探知する「早期警戒衛星」などに基づく米軍からの情報で、防衛庁は「事実を確認中」としている。 ミサイルは午前八時十分ごろ発射され、約五分後に北朝鮮から東へ百キロ未満の日本海に着水したという。「シルクワーム型」とみられる改良型地対艦ミサイル(射程約百キロ)か、短距離弾道ミサイル「スカッド」より小型の弾道ミサイルとみられている。 ミサイル発射の情報は同日昼ごろ、関係閣僚らに伝えられた。政府筋は「発射情報は米軍の情報で、現在、米軍と防衛庁で詳細を調べている。北朝鮮軍の演習の一環の可能性が高く、日本への被害はない」と語った。 政府関係者によると、春は気候的にミサイルの発射データを収集しやすく、北朝鮮がミサイル実験を行うケースが多いとされ、一昨年二、三月にも発射している。 また、この時期にミサイルを発射した意図については、北朝鮮をめぐる六カ国協議が進展しない中、「米国を中心に、北朝鮮の核問題を国連安保理に付託すべきだとの動きがあることへの牽制(けんせい)」(政府筋)との見方も出ている。■またシルクワームですか。軍事板常見問題に>骨董兵器は骨董兵器に相応しい扱いをしませう.>タイガー戦車はちゃんと博物館に飾っていたサダム・フセインのほうが,まだ少しは正気.と書かれるような旧式地対艦誘導弾ごときで一々あーだこーだと反応してやるのもどうかと思う今日この頃。と言うことでこの地対艦誘導弾についてどうでもいいことを書き連ねてみましょう。このシルクワームという中国製対艦誘導弾の原型は旧ソ連製「SS-N-2・スティックス」と言う対艦誘導弾で設計は1950年代と古いが、第3次中東戦争では実戦で世界初の艦艇撃沈記録を持つした誘導弾として有名だそうで、登場当時はそれなりの性能があったそうな。この報を聞いたアメリカ海軍などは急遽CIWSを大量発注し、主要艦船の全てに装着させたくらいビビらせたんだそうな。まぁスティックスは飛んでくる高度が比較的高いのでCIWSの発達で迎撃しやすくなったり、ECMの発達により妨害が容易になり対処が容易になった為、第4次中東戦争ではほぼ無力化されたとか。生産国呼称「P-15」NATO名「SS-N-2 Styx」【要目】 開発国:ロシア 設計局:ラドゥガ設計局 全 長:5.67m 直 径:0.78m 翼 幅:2.4m発射重量:2,300kg 推 進:液体燃料ロケット 誘 導:Autopilot+ARH 制 御:空力フィン 弾 頭:HE400kg又は核 射 程:45km巡航速度:マッハ0.8(SS-N-2 Styx P-15より)で、その「SS-N-2 スティックス」をソ連から1960年頃に供与された中国が1970年頃から「海鷹1号・HY-1」としてコピー生産したものを西側では艦載型を「CSS-N-2・サフラワー」と、陸上発射型を「CSSC-2・シルクワーム」と呼称していますが、中国側ではどちらとも「海鷹1号・HY-1」と呼んでいるとされています。生産国呼称「HY-1 海鷹1号」NATO名「CSSC-2 Silkworm」SILKWORM MISSILE WITH WINGS FOLDED【要目】 開発国:中国 全 長:5.8m 直 径:0.76m発射重量:2,300kg 推 進:液体燃料ロケット 誘 導:Autopilot+ARH 制 御:空力フィン 弾 頭:HE400kg 射 程:20-85km巡航速度:マッハ0.7前後巡航高度:100-300m(Missile Index・HY-1/-2)ってな感じで、恐らく北韓はこの艦載型と陸上発射型の両方のシルクワームを配備していると考えられ、射程を150km程度に伸ばしたりしているようですが、前述のように骨董品レベルの兵器なので飽和攻撃でもされない限り到底脅威とはなり得ません。一部国内報道で短距離弾道弾「SS-21」ではないかとも報道されていますが、そうであれば日本海に遊弋するイージス艦が補足しているはずですし、どこからともなく米軍のRC-135S「コブラボール」が出張ってくるはずです。そうなれば対艦誘導弾か短距離弾道弾かというのは一目瞭然ですし、我が政府が公表を控えると言うのも妙な話です。しかし、韓国では中央日報と聯合ニュースで報道が真っ二つ。中央日報によれば政府関係者は短距離の弾道弾と主張し1.射程70キロのフロッグミサイルの改良型2.短距離弾道弾スカッドを小型にした新型のどちらかと推定し命中率を高めるために慣性航法装置を装着したと分析したと報道。 しかし聯合ニュースによると韓国軍当局者は、射程120キロの新型巡航誘導弾の可能性が高いと述べ、射程分析などからシルクワームではないと推測した。また、発射地点は03年2月の発射地点と同様、北朝鮮東部の咸興付近にある約10基の打ち上げ台と確認し、専門家によれば北韓は巡航ミサイルを約10年かけて開発しており「現在は相当な水準にある」と指摘しているとのことです。とまぁお隣の国では軍と政府で言うことが全く違うという事態になっております。まぁドイツのV1だって分類上は「巡航誘導弾」なわけでシルクワームもV1的な使い方をすれば「巡航誘導弾」と言えなくはないんですが、どうも見劣りしますね。シルクワーム以外に巡航誘導弾に改造できそうな誘導弾を「Missile Index」で探したところ、エグゾセのチャイニーズコピーこと「YJ-1 鷹撃1号・CSS-N-4 Sardine」もしくは「YJ-2 鷹撃2号・CSSC-8 Saccade」が北韓には配備されていると言われているので、このどちらかの改良型と言うことになりますが・・・。しかし、あの北韓が10年程度開発しただけで「(巡航誘導弾開発技術は)現在は相当な水準にある」と言うのもどうなんだと。まぁ個人的にはシルクワーム説を採りますが、そのシルクワームにしろ新型巡航誘導弾にしろ我が国の80式空対艦誘導弾(ASM-1)や88式地対艦誘導弾(SSM-1)のファミリーを知っている側からすれば、どこが「現在は相当な水準にある」んだと言いたくもなりますね。まぁ比較対象が間違っていると言われればそれまでですし、伝統的に敵対する軍隊は互いを脅威化したがるものです。書きかけ。