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2005.12.18
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カテゴリ:考え事。

もし、入院してなかったら、
カバンのチャックがあいていなかったら、
カバンからうちの日記が転がり出て彼氏がそれを発見していなければ、こんな展開にはならなかったのだろう。

人の運命ってのは、様々な偶然がぶつかりあうことによって、ときに誰も想像しなかった方向へと動くものですね。



入院中日記をつけていたのだが、その日記をひょんな事から、彼氏が見つけてしまった。

日記には、Mという男性の名前があった。



私は彼氏に半年間、隠し事をしていた。


それは、一番最初に付き合ったMの存在。


私はMと一年前に別れたのだが、その後も色々とありながらも交友関係を保っていた。


Mと別れたのは、簡単に言えば恋愛感のズレが原因だった。

しかし、恋愛関係でなければMとは一緒に盛り上がれたり楽しめる関係だったため、別れてほとぼりがさめてからは、時々遊ぶようになっていた。


しかし、今の彼には言わなかった。言えなかった。
Mが元彼じゃなければ、多分言えていたのかもしれない。


それは、元彼だからというのもあったが、Mがまだうちの事を好きだったからというのが特に大きかった。



Mはうちの中で、友達として大切な存在だった。
だから友情関係として、関係を保っていこうと思っていた。
やっぱ3年間の付き合いがあったわけやし、その3年共に歩いてきた関係はムダじゃなかったって思いたかった。

Mがうちの事好きなのはわかってたけど、二人で遊んでいてもそんな素振りは一切見せないし言わないので、うちらはこのまま穏やかな関係でやっていけるんやろうなって信じていたし、Mもそう思ってるはずと信じていた。



けれど今回の入院中に、とある出来事によりこの友情関係に歪みが生じた。


Mは入院したうちを気遣って、何度かお見舞いにきてくれていた。

しかしある日、とあるつまらないキッカケから口論になる。
それに熱が入ってきてしまって、その時、Mの口から非常にショッキングな一言が発せられた。


「お前、俺がお前のこと好きやと思ってうぬぼれてるんちゃうんけ」


うち自身、全くそんなつもりはなかった。

うちとMは、堅い友情関係が成り立ってるって信じてた。
たとえMがうちの事女として好きでも、それでも友情は成り立つんやって思ってた。思いたかった。



やっぱ無理なのかもしれん。
そんな願望は単なるうちのワガママに過ぎんのかもしれん・・・


Mが発した言葉が、うちの頭を離れなかった。




偶然にも、彼氏がうちの日記を読んだのは、この事件の起こる前日の出来事だった。

今晩、Mの事をちゃんと彼に話さなければいけない日がきたのだなぁ・・・と思っていた日の昼、例のMとの事件があったのだ。



そして彼氏には、Mとの今までの事も、昼間の事件も、全て話した。

うまく話せなかったと思う。
何からどう話していいのかわからなかったし、きっと軽蔑されるだろうと思ってらたから。

それでも彼は、うん、うんと、間髪入れる事なく最後まで、うちの整理のついてない説明を聞いてくれた。
そして、全部を受け入れてくれた。



本当に驚いた。
何故なら、Mの事や、うち自身の事を問い詰められるやろうと思ってたのに、何も聞いてこず、うちの言う事を全て飲み込んでくれたからだ。

同時に、こんなにもうちの事を信じてくれている彼に対して、隠し事をしていた自分を恥じた。



そして、そんな彼から一つの答えを得た。



信頼関係というのは、ただ共に過ごしてきた年月の長さが、それを強めるのではないということ。

相手を許してあげる気持ち、信じてあげる気持ち、理解しようとする気持ち──つまり、思いやりの強さこそが、信頼関係の強さなのだということ。




Mとの口論の時もちろん、うちはうぬぼれていると思われた事に対して否定した。
でも、うまく伝えられなかった。多分伝わらなかったと思う。

それはうち自身信じてもらえるかどうか、明らかに怒りが見え隠れしているMに対して、びびっていたからだろう。


結局、うちとMは話し合いではなく、生産性のない単なる口論に終始してしまった。
うちも全然言いたい事が伝えられなかったし、Mも聞いてくれなかったし、Mの言いたい事も怒りに隠れて全くわからなかった。


友情関係だって信頼がなければ、相手を理解しよう、信じようとする気持ちがなければ、成り立つはずもない。
少なくともうちはそうだと思っている。

けれどMは、怒りによって、自分自身にフタをし、うちの伝えんとする言葉に耳をふさいでしまった。




"三年間"という年月に、堅い信頼関係を信じたくてしがみついてた自分に、ようやく別れを告げることを決心した。

そこには"信頼"なんてない。そう思ったから。


そして、付き合いは半年であっても、うちと真っ向から向き合って信じよう、理解しようと努力してくれる彼と、もっともっと向き合っていこう。疑う事なく何もかも信じてついていこうと、そう決めた。



うちも、彼の全てを許したい。理解してあげたい。信じてあげたい。

彼が、うちにそうしてくれたように。






もし、入院してなかったら、
カバンのチャックがあいていなかったら、
カバンからうちの日記が転がり出て彼氏がそれを発見していなければ・・・・・


信頼とは何かという今の一つの答えに行き着くことは、彼の存在の大きさ大切さに気づくことは、もしかするとなかったかもしれない。











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Last updated  2005.12.18 22:35:29
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