テーマ:クラシックロック(754)
カテゴリ:60年代英国
前回アードヴァークを紹介した際に「スティーヴ・ミリナーがかつて在籍」などと書いてみたので自然な流れとして登場させてみました。 気色悪いジャケと「有刺鉄線サンドウィッチ」てな邦題が強烈過ぎるブラック・キャット・ボーンズです。 本作がデビュー盤兼ラスト作品なんだけど、ここまでたどり着くのにそうそうたるメンバーが入れ替わり立ち代わり。 一番有名なところではフリーの結成メンバーとなるポール・コゾフとサイモン・カークの2人かな。 この2人と前出のミリナーは本盤には関わっていないけど、ここにいる人たちもそれなりに名が通ってます。 ロッド・プライスはフォガットへ、デレク・ブルックスとスチュ・ブルックスの兄弟はリーフ・ハウンドへ。 ドラマー(姓が読めない)の行き先は…知らん。(ゴメンネ) さて。 ジャケの上の方に“GREAT BRITISH BLUES”と入っているんでブルース色強いんだろかと思いながら聴き始めました。 …おや? このギターの音はどっちかというとハード・ロックが基盤にありそうだよ? 重めのギターが活躍してます。 ベタな比較すればジミヘンを思い出したりもしました。 それでいて爽快さも感じさせてくれて、これは一筋縄ではいきそうにないぞ。 英国フォークのマニアックなガイド本ラビリンスにソロ作が載っているブライアン・ショートの歌いっぷりは“タメ”がお見事です。 ちょっとやさぐれたような歌い方がクール! 枯れ気味だけど喉は強く、男の哀愁漂わせまくりです。 私はそのソロ作は聴いたことないんだけど、ここでの歌唱を聴く限りじゃフォーク本で紹介されるとはとてもじゃないけど思えません。 ん? 3の中盤でイングランドのクリスマスの歌“ゴッド・レスト・イェ・メリー・ジェントルメン”っぽいメロディが登場してますよ? さらにテンポを落として曲調もマイナーにすれば「男は黙ってグラスを傾ける。言葉はいらない」の世界が花開きます。 けれどもそういうブルージーな曲ばかりではなく、転がるピアノが出てくるかなり弾んだ曲もあります。 だけどやっぱりギターはヘヴィなんだよね。 68年に録音されたライブ音源(ブートくさい)を聴いてみると本作を余裕で凌ぐどろっどろのブルースやってるんで、彼らなりに考えてキャッチーな曲も混ぜてもっとたくさんのリスナーにアピールしようと思った…かどうかは定かではありません。 確実に言えるのは、前半部より後半部の方が明るめな曲が多いということ。 だが最後の最後は7分オーバーでウルトラヘヴィネスだ。 ブラック・キャット・ボーンズの作る音楽はそんなにパッとするもんではないし、華やかなムードもないです。 だけどね、間合いの取り方がすごく上手くてなんともいえない魅力を内包してるんだ。 間違っても派手なアルバムじゃないけど、時折無性に聴きたくなってくるような作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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