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カテゴリ:ニューヨークにて
ニューヨークの私のアトリエ(ブルックリン)の近くのタコス屋で、たまたま近くに座って話しかけられてしばらく世話話をしていたときのことです。
ちょっとビックリしてしまいましたので、書きますね~。 メキシコの食べ物であるタコス屋だから、メキシコ人もたくさん来ます。 手軽な軽食にちょうどいいので、日本人ですが私もこのタコス屋へ、ケサディーリャ(タコスより大きめで、似たようなもの)を時々買いに行きます。 夕方から夜はすごく混雑しているから、30分くらい待つこともあります。 そういう時、近くのメキシコ人と、スペイン語でしゃべったりします。 このメキシコ人は、自営業で内装屋をしていて名刺をいただいたので、ちょっと話してみました。 メキシコは今、麻薬マフィアがたくさんいて殺人ばかり多くて、物騒で危ない状況だとうすうす知っているので、それについて聞いてみましたよ。 「メキシコは今、危ないでしょう? 一体、何が起こっているの?」と聞くと、 「そうやねん。メキシコはめっちゃ危ないで~! もうなあ、殺人ばっかりやで。 俺はメキシコには帰りたくないで。」 (← スペイン語は大阪弁に訳すのがピッタリです~(笑)) 「あんた、メキシコ人やのに、メキシコに帰りたくないんか?」 「いやいや、そうやけど、ホンマ、俺はメキシコには絶対に帰りた~ないでっ! こっちにいる俺の家族も帰させへんでっ! あんたらもメキシコに行ったらあかんで! メキシコに行ったら殺されてまうで~! 何があっても知らんで~。 今はメキシコは、めっちゃ危ない、無法地帯やで。 誰もどないもこないもしようが無いんや。」 「え~! あんた、メキシコに家族親戚もいるやろう? それやのに、帰りたくないんか? そんなに今、メキシコは危ないんか? ニュースとかネットで流れてる”メキシコ危険”の情報は、ホンマにホンマなんか?」 「ホンマやで。 危ないで~! 俺はもうメキシコに帰らへんで。」 「そうなんか。 ネット情報は大げさではなかったんやな。 あんた、メキシコ人やのにメキシコに帰りたくないなんて、気の毒やなあ。 でも、あんたはニューヨークに住んでいてここで働いていられるから、よかったなあ。 メキシコ以外に居られる場所があってよかったな。」 「うん。ホンマによかったわ。ニューヨークに居られるからな。 俺はニューヨークに来たばかりの頃は、日本食レストランで皿洗いと寿司作りから始めたんやで。 その頃働かせてもらった日本人の方々にはホンマにお世話になってな、みんな日本人は良い人やな~。 今でも、俺の家族は、日本人の友達や知り合いがたくさんおるんやで。 1人、ミウラさんがお亡くなりになって、さびしいわ~。彼にもお世話になってん。良い人やったわ。 それから、給料の良い長距離トラックの運転手になってな。 その後、内装をするようになって、自営業をするまでになったんやで。 少しずつ、より良い方向へ前進してきてん。」 「そうなんか。 そりゃ、あんた、真面目な頑張り屋さんやな~! ニューヨークで、日本人の人達に親切にしてもらってきたんやな。よかったな。 そういう話を聞くと、日本人の私は嬉しいわ~。 ミウラさんのことは、ご愁傷様です。 あんた、今でも日本人の人達と付き合いがあるのは、あんたが真面目で努力家で、良い人やからやで。」 ・・・ちょっと途中でミウラさんのととか、話が脱線してきたので、省略。 またメキシコの状況に続きます。 「ところで、メキシコでは今、何が起こってるんや? なんでメキシコはそんなに危なくなってしまったんや? 殺人ばっかりやんか。 暴力が支配する無法地帯やな。 まるで映画みたいやんか。」 「俺が思うに、メキシコはきっと、規制とか国境の警備がゆるい国なんやで。 世界中の麻薬のマフィア達が、メキシコへ集まってきて、居ついてしまったんやろう。 麻薬は、巨大なビジネスやからな。 マフィアを厳しく取り締まると、さらに規制のゆるいところへ、どんどん移動してきた結果やろうな。」 「ああ、昔のコロンビアみたいになってるんか?」 「そうそう。 一昔前のコロンビアみたいな、危険な状況。」 「ああそうか。コロンビア、危なかったもんな~。 そっちが取り締まりがきつくなったら、メキシコへも流れてきたんやろうな~。 今、メキシコの警察も政治家も、何もできへんのやろう? 警察官も政治家も殺されていっているもんな~。」 「そうやねん。 危ないで。 俺はもう、あんな無法地帯、メキシコには二度と行きたくないわ。」 ・・・ こんなお話をしていました。 生で、メキシコ人から話を聞いて、ショックでしたよ。 ビックリしました。 ネット情報は大げさな話ではなかったのですね。 メキシコの状況を知っても、それはちょっと大げさなのではないかな?とか、想像していたので。 だから驚きました。 自分の国が危なくなることは、時々ありますよね。 日本も原発事故が起こって放射能汚染になっていますし。 大きな災害が起こることだって、たまにあります。 そんな状況になっても、もし海外へ移動して逃げてきても、その地でこのように少しずつ人々と知り合って、みんなで共に助け合って、生きていくことも大事だな~と思いました。 人種が違う場合、人柄対人柄だけで判断するお付き合いになるので、その人が何を持っているかではなくて、最後はやっぱり、性格・人柄だけが一番大事です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年09月25日 06時41分11秒
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