本年は吉田松陰刑死から150年で、生誕の地、萩市では記念行事が目白押しです。
松陰神社では松陰先生ゆかりの資料などを展示した「至誠館」もできました。
吉田松陰は長州藩の維新の父として古くから崇め奉られています。
刑死から50年後に松下村塾門下生の最年少だった伊藤博文が暗殺されました。
中国ハルピン駅で当時の韓国統監だった伊藤首相を銃撃、殺害しました。
暗殺成功後に捕らえられ刑に処された安重根は韓国の英雄です。
ですので韓国では安重根を称える式典が催されています。
歴史の事実も捉える側が違えば当然評価が違う実に分りやすい一例です。
暗殺を擁護できませんが、5.15事件や2.26事件とは志が全く違います。
日本の占領下の朝鮮半島で繰り広げられた圧制の結果に他なりません。
国内でも維新を巡り、官軍と幕府軍では思いの隔たりは実存します。
幕末から明治にかけて長州藩と会津藩とで苛烈を極める戦があり、
維新後も辛酸を舐めるような歴史の事実に隔たりも当然と思われます。
山口県と福島県では温度差がありすぎて今も和解の行事があります。
言葉が同じ国内でもわだかまりが有るのですから、
国際間で植民地政策下での感情のズレは相当なものだと思うべきです。
しかしながら、今日本の婚姻カップルの20組に1組は国際結婚で、
そのうち、韓国と中国とのカップルがほとんどを占めます。
100年前には考えられない時代になりました。
この事は韓国朝鮮民族の英雄である安氏も、
尊皇攘夷の総本山の松陰先生も喜んでくれる気がします。
同じアジアの同胞として理解できる事は深めてゆくべきであり、
歴史の事実と向き合うべきは誠実に逃げずに受け入れるべきです。
不幸な時代を蒸し返すつもりは誰にも無いはずですし、
その事を大上段に構えては何時まで経っても前に進みません。
韓国とは同じ資源の無い国として輸出産業で鎬を削る間柄になりました。
北朝鮮の問題も韓国の尽力無しには考えられません。
我が国の現政権はアジア重視の姿勢で隣国との関係改善に努めます。
もちろん内外からの批判は無くならないでしょうし、大いに議論すべきです。
しかし、常にゴールは共存共栄であり、敬意を持った国際関係で有るべきです。
アジアの国々がEUのような関係で繋がりを持つようになりたいものです。
キハのまわりに posted by
(C)違いがわかる男