FM放送で若手の芸能人と思われるオレンジレンジなる数名の方が、
賑やかに話していて突如(結構若い人に多い)全く関係ない映画の話になって、
「スッゲー面白い映画見たんだけど・・・」
って言うので今時のハリウッド映画の話だろうと思っていたらナント、
70年代の名作の話でした。
邦題「夜の大捜査線」シドニー・ポワチエ主演の超名作です。
最近の映画ではトンと拝見されなくなった黒人差別のオンパレードです。
我が国ではまず考えられない差別描写にオレンジ諸兄も驚いたのでしょう、
有能であっても黒人が白人社会での扱いは本当に酷いものですし、
感情を押し殺して黒人の代表であるかのように振舞う主人公にシビレます。
今時の映画を見慣れると話の展開のノンビリ加減に戸惑い気味になりますが、
ま、早送りなどせずに観る事をお勧めいたします。
我が国では想像できない苛烈なまでの差別表現が映画の魅力を盛り立てます。
オバカサンの白人たちへのポワチエの演技もさることながら、
有能な人物に意味のない差別は国家的な損失なのが見て取れます。
人間として有能無能の指標が人種ではない事が一目瞭然ですが、
愚かな人物ほど意味のない優越感にあぐらをかくのが実に醜悪です。
人種と言うくくりが我が国では希薄ですが、
性別や学閥、出身地域など幾らでもハードルは存在します。
人種差別はむしろ良し悪しのコントラストが分かり易く判別出来ますので、
今となっては見分けのつかない問題の方が深刻かも知れません。
TUTAYAの借り放題を使って何十年ぶりかで見ました。
人間味がありすぎる隔世の感もタップリな名作をオレンジ諸兄のお陰で楽しめました。