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2010年08月20日
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カテゴリ:映画

映画は映画だ


お盆休みにやることがなくて、映画と音楽をレンタルした。

この映画は、北野武の「アウトレイジ」を見に行ったときに、どっちがダーティか見比べようと思っていた作品だ。


武ちゃんの作品は、笑わせる場面はそれなりにあって面白いのだけど、日常化したバイオレンス(そういう世界の人を描いているから当然なんだけど)があまりにも、非日常的で、実感に欠ける。


それに比べて、「映画は映画だ」の主人公2人は、光と影のように立場の違いが浮かび上がり、なかなか鮮烈だ。しかも、韓国独特の入れ子構造を、短い映画の時間内に上手く取り入れていて、監督と脚本家の力も相当なものだ。


それから、私が韓流を飽きずに見る理由のひとつに、物語が進行するに伴い、役者の顔立ちが変化するのが好きだからだ。

善人が悪人に、悪人が善人になる瞬間を、表情とメイクでうまく表現している。人は、善悪に分けられるものではなく、善と悪が表裏にあるという二元論の本質をこれほどわかりやすく表現できるものは、他に何があるだろう?



主役のひとり、カン・ジファンは、日本でも放映された作品が多く人気のある役者だが、彼の最初のシーンでの、無頼漢ぶりは、どちらかというと甘めの役が多かった彼の役者としての資質の高さに驚かされる。


そして、最後のシーンで、彼は最初とは間逆の表情を見せるのだが、その違いは、実際に見て感じていただきたい。

韓国映画には珍しい秀作である。(実は、韓国映画は映画として完成していない作品が多い)


実際には、映画の撮影を通じたバイオレンスシーンが多い上に、本物のヤクザを意識すればするほど、つかまるような手は使わないわけだから、ダーティではあっても、暴力的な匂いの薄い作品だ。

しかし、対象的な2人の人物と絡み合った幾つかの物語が、人生の不思議さを感じさせる。
 

予備校、大学と授業の合間に(サボって?)名画座に通い、映画の世界に片足をつっこんで人生を狂わせた夫が褒めるのだから、映画好きの人は、見て損はしないと思う。





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最終更新日  2010年08月20日 19時14分00秒
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