併合無効宣言
韓流ドラマにはまって、韓国からのニュースをチェックするようになった。隣国から流れ込む商品(食料品、TVドラマ、観光情報など)は増え続けているが、ほんとうのところ、どの程度接近していいものか気持ちの整理はつかない。太平洋戦争は、私達の世代が直接関わった戦争ではない。しかし、戦後、更地に立て直したはずの現代社会は、過去を無かったものとして生きるには、情報があまりに増幅される社会になってしまっている。多くの韓国人は、いまも日本に恨を抱きながら生きているのだろうか?先日、韓日の知識人が集まって、韓日併合条約(韓国併合に関する条約)の無効を宣言する声明を出した。http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2010/05/10/0400000000AJP20100510003800882.HTMLこの宣言に関しては、日本のメディアが沈黙したので、多くの日本人にとっては水面下の出来事に過ぎない。だが、政治が膠着したまま、商品だけが流れ込むのは、どう考えても不自然だ。日本をただの消費地としてだけ扱うのなら、それは、隣国としての態度ではなく、アメリカ資本主義の複製でしかない。国家間の関係は、一部の政治家や財界のために開かれるものではない。ましてやそこが、海を隔てただけの隣国であり、かつて、多くの渡航者をのみこんだ荒れ狂う海も、眼下に眺めながら越えることができる時代なのだ。