|
テーマ:介護・看護・喪失(5321)
カテゴリ:母のこと・介護
昼夜逆転している母に、 「お母さん、まだ夜ちゃうで! 部屋が暗くなってから寝~や!」 と、声をかける。 今日、一緒に行った叔父(母の弟)に言わせると、脳疾患はとにかく眠いらしい。 叔父自身、脳梗塞を経験しているから、きっとそうなんだろう。 眠らせてあげるのもいいのかもしれないが、少しずつ1日のリズムを取り戻すことも必要だ。 で、声をかけるのに母の顔を覗き込んだ時、「おや?」と思った。 何か違う。微妙に違う。 叔父は、「口が綺麗になったせいちゃうか?」と言う。 確かに、口腔ケアをしてくれたおかげで、唇の色まで改善した。 薬用リップもしてくれるから、ガサガサも少なくなっている。 でも、そういう明らかな違いではなく、微妙な違い。 ・・・・・・。 ・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・あ! 思わず、声が大きくなった。 「顔を綺麗に剃ってくれてる!!」 それを聞いて、叔父もマジマジと母の顔を見る。 「産毛やらヒゲがなくなってるわ」 「それどころか、眉までカッコ良く揃えてくれてるやんか!」 「ほんまやなぁ」 同じ介護保険を使い、同じ介護サービスの枠内で世話をしてもらっていながら、前のB病院では、母はひたすら病人扱いだった。 それが当たり前なのかもしれないが、今度のD病院は、こんな気配りをしてくれる。 何という違い・・・感動。 「お母さん、めっちゃ綺麗にしてもらってるやん! ええなぁ、私も眉毛、ちゃんとやってほしいわぁ」 そう言う私に、叔父がツッコむ。 「お前、ねえちゃん(母)の代わりに寝とけや。分からんぞ」 「寝てええか? ほんなら寝るで? すぐに顔剃り、頼みに行ってや?」 「ああ、行ったる、行ったる」 「眉はこう、あんまり上がり過ぎず、ほどよく太さを残してやね・・・」 「全部剃り落としてもろたらええんやな?」 「そうそう、そしたら好きなように眉が描けるようになるし・・・って、ちゃうがな!」 左横に立つ叔父の腕を、左手の甲で叩く。 すると、背後で「プッ!」と噴き出す声が。 振り返って見ると、知らんうちにヘルパーさんが・・・。 「ほんまに、やってられんわ」 「失礼しました~」 ちゃかちゃんちゃんちゃん♪・・・で退場できたらいいんやけど、まだ病室に入って30分も経ってないし~^^; 「どうも、うるさくてすいません」と、私が苦笑しながら頭を下げると、 「うるさいでしょ、こいつ」と、叔父が私を指差して言う。 あんたに言われたないわ!^^; 「賑やかでいいですよ~。ねぇ、Nishiko母さん?」 ヘルパーさんが笑いながら、母の顔や手を拭いてくれた。 すると、叔父がまたすぐに喋り出した。 「うるさいで思い出したけど、お前、車の中で、ず~っと平井堅の曲かけてたやろ?」 「うん」 「俺、嫌いなんや、あいつ~」 「そうなん? ほんなら、これからもずっと平井堅でいくわな」 「・・・・・・そうかい」 ヘルパーさんがまた笑う。 普通に喋ってるだけやけど、それでも下手な漫才しに来たみたいやんかっ。 恥ずかしいから、しばらく黙っとれ!^^; 母が喋れたら、きっと何か一言、絡んできてるやろうなぁ。 アホな弟と娘に絡みたくてウズウズして、思わず声が出る・・・な~んてことになったらいいのに(笑) 最後まで読んで下さって、有難うございます。
よろしければ、ポチッと押してやって下さいまし^^↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|