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テーマ:介護・看護・喪失(5318)
カテゴリ:母のこと・介護
先週の木曜日に母の病室に行くと、ご近所のおばさん(BさんとOさん)がお見舞いに来てくれていた。 ここに転院してから、こうして病室でバッタリ出くわすことが多い。 前の病院は中途半端に遠かった上、交通の便がかなり悪かった。 けど、今の病院は近所からなら歩いて来られるし、電車利用でも駅と病院間にマイクロバスが出ている。なもんで、ご近所さんや母の友達が、お見舞いに来やすくなったのだ。 私自身、今の病院なら 「お散歩ついでとか、通り掛かった時にでも覗いてやって下さい」 と、近所で気軽に言えるようになった。 さて、ここ数日、母は熱が出ていて、喉に痰がからんで咳き込んでいた。 お見舞いに来てくれたBさんがそれを見かねて、担当看護師に去痰を頼んでくれた。 倒れてから体温調節が上手にできなくなってるので、ちょっとしたことで発熱する。けど、当初は38~39℃なんて当たり前だったのが、最近は出ても37℃台。微熱は一番しんどいけれど、それでも随分マシになったもんだ。 去痰が済んで2人が帰ろうとすると、母は動く方の右足をバタバタさせた。 まだ帰って欲しくないという意思表示なのか? 2人もそれを酌んで、帰るのを止めてくれた。 そこで、母の足元で暫し談笑。 実はOさん、現役看護師(総合病院の師長)。なので、脳疾患には眠りのリズムがあるとか、腕でも口でも動く部位はとにかく動かすのが良いとか、言語療法士は給料が安いとか、かなり喋り込んだ。 その時である。 「ああ・・・」 母の口から声が漏れたのだ!! 空耳か? いやいや、だったら、3人で顔を見合わせたりしない。あれは、喉の痰が震えた音でもなく、明らかに声音だった。 続けて声が出るかと思って母の顔を覗き込んだけれど、母はいきなりウトウトし始めてしまった。 「声、出るね~、期待できるねぇ!」 そう言って、BさんとOさんは帰って行った。 そして、今日。 熱は下がったみたいだけど、まだ少し喉がゴロゴロ。 いつもより反射が多く見られるものの、私が枕元に座ると、眠そうな目をしながら動く右手を一生懸命こっちに差し出してくる。その手を握って、いろいろ話しかけた。 しかし、どうにも眠いらしい。瞼がすぐにとろ~んと下がってくる。 仕方ないから30分ほどで立ち上がって、洗濯物をまとめて帰る準備に入った。 「じゃあ、また来るからね、ばいばい」 調子がいい時は本人なりに右手を振るんだけど、眠くてしょうがないみたいで、腕はだらりと垂れたまま。 もう一度「ばいばい」と言ったその時。 「ああああ・・・・」 また母の声が聞こえた!! たまたま病室にいたヘルパーさんが、 「Nishiko母さん、ばいばいって言ったんじゃないですか?」 そうなんかな? どうなんやろ? いや、ばいばいにしろ、溜息ついでに出たにしろ、とにかく声帯が震えて音が出るのは確実になったわけだ。話せるようになるまで快復するかどうかは分からないけど、朗報であることに違いはない。 以前にも一度だけ、「あ」と短く声が漏れたことがあった。けど、もういつだったか思い出せないほど前の話。以来、全く耳にすることはなかった。 それが、この4日間で二度も聞けるなんて。 過度に期待をすると、ダメな時に落胆が激しいからしないでおくけど、それでも少しは期待しよう^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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