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2006.11.02
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カテゴリ:母のこと・介護


お昼、母の病院から電話があった。部屋の移動をさせてもらいたいと言う。
事情を聞いてみると、病状に関係してるらしい。

母はよく微熱を出すと同時に、咳が上手にできなくなっている。喉に痰が絡みやすいのだ。
医療病棟なら壁に吸引器具が設置されているけど、介護病棟オンリーのここは、ポータブルの吸引器を必要に応じて移動させている。それが結構手間なんだそうだ。
確かに、こっちの部屋でAC電源を入れて吸引して消毒して、コードを抜いてまたあっちの部屋・・・っていうのは、かなり面倒。
それを一部屋に固めてしまえば、すぐに全員の処置ができる。
スタッフの労力を考えれば、やりやすいようにしてもらうのがいいだろう。

ただ、どんな部屋かが気になる。
今いる820号室の、4つ隣りに移動するだけらしいけど。

てなわけで、面会時間開始の14時に、一番乗り状態で出かけた。
移動が完了してから、"ベッドの位置が気に入らない"とブータレても遅いからだ。

母の入っているフロアの看護師・ヘルパーの皆さんとは、もうかなり打ち解けている。
なもんで、他の人の移動準備に取り掛かっていた看護師のMさんを捕まえて、
「何号室に移動でしたっけ?」
と、聞いてみた。
これは、私的には実に白々しい行為だった。

というのも、予定の部屋が"816号室"であることは電話で既に聞いていて、Mさんを捕まえるより先に覗きに行ってきたのだ。
そこで分かったのが、今いる820号室は、部屋の左右どちらの列にベッドが置かれても、比較的遠くの景色が見渡せる。
ところが816号室は、入って右側の列になると、近くにある木々と空しか見えなくなるのだ。反対に左側の列になると、820号室と景色はさほど変わらず、遠くを見渡せる。

・・・絶対に左側がええ!!

そう思っていた私は、816号室までMさんについて行く手段を取ったのだ。そして、
「こっち側(右)やったら、あんまり景色が良くないですねぇ。反対側(左)やったら嬉しいなぁ」
と、ボソッと告げた。

勿論、個々のリクエストを聞いてればキリがないわけで、それを分かってのダメ元直談判だ。

するとMさん、10人ぐらいの名前を書いた部屋割り予定の紙をポケットから出して、同僚看護師と相談。私のところに戻ってきたかと思うと、816号室を指差した。

「816は、左側のベッドが2つとも空くわ。窓際と通路側、どっちがいい?」(※個室以外は4人部屋)
「えっ、左が空くの? らっき!!」
「窓際の方が明るいし、こっちにしよっか、ね」

この病院は窓が大きいから通路側でも充分明るいんだが、眺めのいい左側の、しかも窓際に母のベッドが置かれることになった。
Mさんのこの好意、凄く嬉しかったなぁ^^
窓際は、ちょっと首を動かすだけで空が見える。ベッドをある程度起こせば、学校や遠くの町並みが見える。
今日は晴れだとか雨だとか、そんなことを考えるだけでもいい刺激になるだろう。

それと、820号室はポータブルトイレ(ベッド脇に置く簡易トイレ)を使用している人が1人いて、どうしても臭うことがあった。
でも、今度の816号室は吸引の必要な人=寝たきりばかりなので、そういうダイレクトな臭いがない。これも嬉しい^^


今回のリクエストが通ったのは、病院スタッフとの普段からの人間関係構築のおかげかなぁ?
別に、何かあった時に優遇してもらおうなんて下心はなくて、お世話になってる感謝の意と、自分自身が気持ち良く通いたいってことから、挨拶や会話を進んでしてるだけのことなんだけど。

それと、"見舞い客の多い患者は雑に扱われない"という、一種の常識みたいなのが病院にはあって、その点で言えば母は付き合いが広かった分、見舞い客は多い方。それも作用してるのかも?

母の目がろくに見えていなかったり、意識のない状態なら、ベッドの位置は何処でもいい。けど、左目はちゃんと見えている。
毎日毎日ベッドの上で、同じ景色を見なきゃならない母のことを考えると、季節の移り変わりや、空の色が分かる場所に置いてやりたいと思うのだ。
親心ならぬ・・・子供の場合は何心って言うんやろ^^;

とにもかくにも、そんな気持ちを酌んでくれたMさんに心から感謝である。

もう二度と部屋が変わらないかというと、そうではないらしいけど、その時はその時で、またダメ元でリクエストしてみよう^^
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Last updated  2006.11.06 01:48:12
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