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テーマ:介護・看護・喪失(5317)
カテゴリ:母のこと・介護
母の病室に向かう途中、看護副主任Mさんに呼び止められた。 「Nishiko母さん、また眼科を受診してもらいました。 今までの点眼薬に加えて、軟膏が出てますから塗りますね」 母の体に麻痺が現れてからというもの、動きの鈍い右目が、やけに充血するようになった。何ともない日もあるのだが、充血し出すと真っ赤っか。 点眼薬だけでは改善しないから、院内の眼科の先生に再診してもらったようだ。 「へぇ、眼球に軟膏を塗るんですかぁ」 と、無知な私が驚いていると、Mさんが続けて言った。 「F先生、Nishikoさんにお話があったみたいなんやけど・・・、 今日はウロウロしてはるから、またお部屋に行かれると思います^^」 おお、会えるのなら有難い。 泌尿器科の専門医に結石の話を聞きに行って、早や20日が経とうとしているが、それ以降、Fドクターに会う機会が全くなかったのだ。 母の部屋に行くと、また微熱が出ているのか、氷枕をしていた。聞けば、午前中の検温で37.3℃だったという。 けど、この部屋は朝陽が入るので、体温調節のできない人は体温が上がってしまうらしい。午後になって部屋の温度が下がると、熱も下がるパターンがあるという。 よく寝ているので、起こさずに座っていた。 すると、部屋の出入り口で声がした。 「やぁ、やぁ、やぁ」 振り返ると、Fドクターである。 「イェ~イ!」と、ハイタッチ。 マスクをしているから、感染予防の為なのか風邪が長引いているのか、どっちなのか聞くと、後者らしい。 「でもまぁ、職業柄、マスクするのは癖みたいなもんですな」 そう言いながら、マスクをビヨ~ンと引っ張っては放し、引っ張っては放しを繰り返す。 5~6回続けたところで思った。 これ、ツッコミ待ちやな・・・^^; 「先生、もういいです」 「あ、そう?^^」 嬉しそうに、マスクで遊ぶのをやめるドクター。 何だか和むわぁ・・・(笑) 「先生、結石のお薬のことなんですけど」 「そうそう、その話をせなあかんねん。今、ちょっとよろしい?」 2人でナースステーションへ。 先ずは、吉本興業の芸人話で盛り上がる(あかんがな)。 約10分後、この前の泌尿器科医からの返信を見せてもらった。 菌が付着している石の破砕はやめておいた方が良いという話だったが、実際はそんなレベルではなく、禁忌らしい。 超音波破砕という結石治療の救世主も、寝たきり患者にはお手上げということだ。 で、本題の漢方薬「ウロカルン」の話。 今日は何となくFドクターに会えるような気がして、ウロカルンに関する情報をネットからプリントアウトして持参していたのだ。 それを見せると、一通り読んだドクターは、すぐに薬剤部へ電話。 「内科のFやけども、ウロカルンって薬、あるかな。ウロカルン。 ・・・Nishiko母さんやけどね、まだ処方するとは決まってないんやけど。 ・・・・・・あ、そう。はいはい、分かりました」 電話を切って、ドクターが戻ってきた。 「聞いてみるもんやなぁ、あるって!」 「え、ほんまですか!?」 「うん、ほんまほんま」 「らっきー!!」 「らっきー!!」 「じゃあ、先生、検討していただけますか」 「うん、ちょっと待ってや。 ここにあるってことは、院内のコンピューターで更に詳細が見られるはずやで」 薬剤名を入力後、何度かクリックすると、ウロカルンの情報が出てきた。 副作用があるとすれば、胃の不快感・膨満感、下痢・・・比較的オーソドックスなものだ。 石の溶解は、10人に2人の割合で確認された模様。 禁忌事項はないし、長期服用が前提で、特に投与に慎重になる薬ではなさそう。 「よっしゃ、ほんなら試してみましょ! もう今日から処方しよか。 これは錠剤やけど、薬剤部に言うたら粉にしてくれるでしょ」 「有難うございます~^^」 てなわけで、すんなりウロカルンの処方が決定! 家族の希望を尊重してくれるドクターで、本当に良かった。 ダメで元々、効けばラッキー。長い目で様子を見よう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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