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テーマ:介護・看護・喪失(5316)
カテゴリ:母のこと・介護
10日に、Fドクターから電話があった。 母がまた39℃近い熱を出したという。 様子を見に行くと、母は氷枕をしていて、私を見るなり「あー、あー」と声を出した。 「今日は熱があってしんどいんやから、喋らんでもええで」 そう話しかけても、何か言いたげに声を出し続ける。 コミュニケーションが取れないというのは、本当にもどかしい。 私が視界にいる限り声を出すので、 「ゆっくり寝て、体力温存せなあかんで。ちょっとトイレに行ってくるわな」 そう言って、ひとまず部屋を出た。 すると、ナースステーションにFドクターの姿が。私が声をかけると、熱心に文献を読んでいたようで、えらくビックリされた(大袈裟な手振り付(笑))。 ドクター曰く、37℃台の熱なら連絡しなかったが、今回は高かったので電話したという。 というのも、母のような寝たきり患者の場合、高熱を出すと万が一に繋がる可能性があるからだ。 ここのところ微熱は続いていたものの、先月以来の38℃台。 勿論、ドクターは全力を挙げて治療に当たってくれるが、それでも最悪の事態を迎えてしまう場合に備えて、早めに連絡をしておきたいらしい。 看護スタッフ達からは、いつも「早急すぎる」と言われているそうだけど^^; 「僕、電話魔やねん」と、苦笑いするドクター。 確かに、とりたてて相談のない時にドクターから電話があるとドキッとする。けど、その電話を受けた後、「きっと大丈夫」と快復を信じつつも、ほんの少し心の準備をしようとする自分もいる。 ドクターは恐らく、そのための連絡なんだろう。重篤状態になっていきなり連絡が来たら、家族がパニクるのは必至だから。 「忙しいのに来てくれたんやねぇ。 しんどい時に家族が来るか来ないかで、全然違うんですわ。 家族の顔を見たら、患者さんも頑張ろうって思いますねん。 今日は強い抗生物質を点滴しといたし、娘さんも来てくれたからね。 快復することを願いましょ」 そう言って、さっきまで見ていた文献を手に取るドクター。 寝たきり患者が腎臓結石に対抗できる術はないか、ずっと調べてくれているようだ。忙しい身なのに母の為に時間を割いてくれて、本当に有難い。 部屋に戻ると母はうとうとしていた。顔や首は熱いのに、手足が冷たい。どうやら血流が悪くなっていて、末梢血管に行き届いてないらしい。これはあまり良くないとのことだ。 血圧は上が140台、下が100台。下が高いのは問題だ。 両手を擦っていると、少しずつ暖かくなってきた。 そうこうしていると母が眠ってしまったので、黙って部屋を出た。 そして、今日。 母の氷枕は、普通の枕に変わっていた。抗生物質の力を借りて乗り切れたようだ。 免疫力が落ちている上に、結石という菌の巣を抱えている以上、熱が上がっては下げるという、いたちごっこは続くだろうとのこと。 けど、この闘いを繰り返して、母の免疫が少しでも上がってくれれば嬉しい。 そして、他の患者さん同様、家族が来たことが母の力になったのなら、 「しんどいやろうから、今日は行くのを止めとこう」なんて思わずに、そんな時こそ声をかけに行こう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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