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テーマ:介護・看護・喪失(5321)
カテゴリ:母のこと・介護
午前中にFドクターから電話があった。 当直の先生によると、深夜に母から血尿が出たらしい。血の塊のようなものもあって、現在は正常な色をしているが経過を見ているという。 昨日、微熱があったから、やっぱり結石が悪さをしているんだろうなぁ・・・。 そして、ドクターが今日付けで病院を辞めるという。 一度は向こうの病院に赴任する意向を示し、こっちには辞職願いを出したんだから、そうそう覆らないとは思っていた。覚悟はできていたが、残念至極だ。 午後、ドクターにお礼を言うために病院へ行った。 会議ですぐには会えなかったが、病室で待っていると来てくれた。 まだ和歌山への転勤を伝えていなかった患者家族にその旨を伝えたところ、私が言ったこと(ドクターに診てもらいながら死ぬならば、それで幸せだと思う等)と全く同じことを言われたらしい。 受け持ち患者家族のほぼ100%が、ドクターに全幅の信頼を置いていたのだ。 心を痛めたドクターが、向こうの病院に患者家族から言われたことを伝えたそうなのだが、「もう迎える準備をしているんだから」と一蹴されたという。 病院もビジネスだ。悪い言い方をすれば、他病院の患者がドクターを泣いて引き止めようが、所詮は他人事なのだ。 前回から更に判明したことは、以下の通り。 以前勤めていた病院の看護師が、和歌山の病院にいた。 ある日、いきなりやってきて、ドクターに和歌山へ来てくれないかと直接交渉してきた。 その病院にはドクターの恩人がいたが、新しい病院を立ち上げるために抜けてしまった。その穴を埋めるために、人間的にも優れた医師を探すことになったのだが、看護師がその時に思い出したのがFドクターだった。 ドクターは今の病院で副院長の仕事を抱えながら、外来も入院もこなす。その激務が祟り、去年、胃潰瘍で大出血した。 これを受け、ドクターも家族も「副院長の役職から下ろして欲しい」と病院側に嘆願したが、聞き入れてもらえなかった。体調は悪くなる一方で、常に胃は痛み、血圧は最高が100程度だったのが180にまで上がっている。 このままでは体がもたないのではないか、その気持ちが次第に強くなっていった。 そこに和歌山への誘いがあった。 冷やかしで単身見に行ったら熱烈歓迎され、奥様も興味があるとのことで再度訪問したため、赴任の意思は決定的と思い込まれた。 試しに「肩書きはつけないで欲しい」と言うと、「先生のやりやすいようにして下さい」とのこと。これが一番の決め手になった。 転勤を決めて患者家族に連絡すると、みんなに嘆かれた。今まで、そこまで信頼されているという自覚がなかった。 それはドクターにとって大きな自信になったが、同時に後ろ髪を引かれる思いでいっぱいになった。 心はこの病院にあるが、体は激務から解放されたがっている。 辞職願いを出した手前、後戻りもできなかった。 「副院長の肩書きを取ってくれなかった、この病院への反乱ですね」 私がそう言うと、「そうやねん」と即答だった。 本当に体が悪いんだろう。体調にはかなり神経質になっているようだった。 「ここで無理して働いて、先生に倒れられたら話になりません。 向こうの方が空気も綺麗だし、リハビリ療養を兼ねてお仕事して下さい」 そう言うと、ドクターは何度も私にお礼を言った。 「で、体調が戻ったら、絶対に戻ってきて下さいねっ」 この念押しも忘れなかったけど(笑) ドクターは、「きっとまたご縁はある」「戻ってきます」と言ってくれた。 握手をして、お別れをした。 和歌山の病院名や所在地は、ほんの一部の人にしか教えていないようだ。 ドクターの意図は分からないが、もしかしたら職員から患者家族に漏れることを避けるためかもしれない。和歌山までついて行く!と言う患者もいることだし・・・。 今後は先ず、理事長宛に手紙を書こうと思う(理事長へ直送できるポストが院内にある)。 ドクターの担当していた患者家族が皆どれほど悲嘆しているかが分かったことだし、その思いを伝えて、理事長から働きかけをしてもらえないかと、お願いしてみようと思う。 もし動いてくれるのであれば、病院サイドの都合よりも、患者家族の声を伝える方が明らかに威力がある。Fドクター自身、その方が戻る口実になると言っていた。 今すぐというわけにはいかないが、数ヵ月後に最初のアクションを起こすつもりだ。 いつか、もう一度ドクターが主治医になってくれることを信じて、母にも頑張ってもらおう。 掲載許可は得てないけど・・・^^; Fドクター、いつも親切にして下さって、本当に有難うございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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