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カテゴリ:母のこと・介護
(屋内にある、仏壇みたいなお墓のマンション。私は「別荘」と呼んでいる) お参りするのに天候に左右されないのが良いし、雑草は生えないし掃除もお任せ。 冷暖房完備で、夏に蚊に喰われることもない。 何より母が生前、「お墓はいらんで。マンションでええから」と言っていたのだ。 4月から使用可能ということなので、7日に納骨に行くつもりだった。 だが、生憎の雨 青空駐車場なので、遺骨が少しでも濡れたら可哀想だと思って、その日は中止にした。 そして、8日。 夕方に近所のスーパーに行く道中、向こうから歩いてくる女性に目が釘付けになった。 母に、とてもよく似ているのだ!! 母より痩身ではあった。 でも、ブラウスに薄手のジャケット、レギンスとスニーカー。 それは、母が春先に出かけるスタイルそのままだった。 そして、髪型もショートで、バッグをたすき掛けにするところまでそっくりだったのだ。 (原付野郎の引ったくり被害に遭いそうになって以降、必ずたすき掛けにしていた) その女性のブラウスとスニーカーは白、ジャケットは灰色、レギンスとバッグは黒だった。 母は黒系で揃えることはあまりなかったが、それにしても本当によく似ている。 ジロジロ見てはいけない。 でも、気になってしょうがない。 立ち止まって何かを探している小芝居をしながら、チラチラと見ていた。 その人は桜の下を通過して、公園の横を通り、私の背後を通り過ぎた。 やはり、母ではなかった。 でも、この世に似た人が2、3人いるという説が本当ならば、 あの人は間違いなく、そのうちの1人だ。 そのすぐ後、スーパーの中で、母の友人Kさんに出会った。 彼女は母が亡くなって間もなく、一緒に花見をしている夢を見たそうなのだが、 その後はとんと見ないという。 「気配もないしなぁ、きっと今頃、外国の美術館に行きまくってるんちゃう?」 そう言うKさんに、伝言をお願いした。 「また夢に出てきたら、いっぺん家に戻れって言うといてくれる? 亡くなってすぐ戻ってきたらしいけど、そっから全然帰ってけ~へんねん^^;」 けど、美術館巡りを終えてもあちこち行って、なかなか帰って来そうにないよなぁ・・・ という結論に至って解散、帰宅した。 母に似ている人を目撃し、スーパーで母の話をし、 「今日は母に纏わることが多いなぁ・・・」と、不思議な感じがした、その夜。 次の休みこそは納骨に行こうと思って、二階の母の寝室に入った。 別荘に、愛用していたものを置いてあげようと思ったからだ。 部屋に入って写真やら置物やらに触れていると、やがてボロボロと涙が。 いろんな思い出や後悔が、頭の中を巡って止まらない。 「お母さん・・・」と何度も呟きながら、暫くベソベソと泣いた。 結局、写真しか階下に持って降りなかった。 別荘はある程度賑やかにしてあげたいが、魂が帰ってくる場所は自宅だろう。 大切にしていたものは、この家に置いといてあげた方が良いような気がして、 思い直したのだ。 それから、3~4時間後のこと。 頭の上から、コツン、コツン・・・と音がする。 月夜だから、雨が戸を叩いているわけではない。 家が軋む音でもない。 コツン、コツン・・・・・・・・・コツン、コツン・・・・・・・・・ 一定の間隔で、軽い、同じリズムの音が延々と聞こえてくる。 天井か、その上にある2階の床をノックしているような。 頭上は、母の寝室だ。 「お母さん? 帰ってきてるんやったら、降りておいでや」 天井に向かってそう言うと、間もなく音が消えた。 スーパーでのKさんとの話が聞こえて、帰ってきたのかな? そして、1日挟んだ今日、10日。 納骨に行こうと思っていたのに、また雨・・・ う~ん、そんなに別荘に行くのがイヤなんかな?^^; お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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