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2008.08.03
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カテゴリ:母のこと・介護

キャッシング

7月の半ばに、お寺から「初盆の案内状」が届いていた。
初盆を迎える家をお寺に集めて、法要があるという。

指定日にお寺に出向いて、またお盆期間に住職に来てもらうのも何だかなぁ・・・
と思って、その案内状はひとまず放っておいた。

で、7月末に、8月13~15日の住職の都合を聞こうと思って、お寺に電話した。
すると、事務員なのか若いお坊さんなのか分からないけど、
「初盆のご案内は届いてませんか?」と聞いてきた。

お寺曰く、お盆の3日間はどうしても多忙になって、
どれだけお坊さんが手分けしても、なかなか各家を回りきれないという。
そこで、初盆を迎える家をお寺に呼んで、合同法要を執り行うとのこと。
それが、先に届いていた案内状だったのだ。
お寺の法要に出席すると、お盆期間はお坊さんに家に来てもらわなくてもいいらしい。


そうなんか、どっちかでええんか。
自分からお寺に出かける方が、気を遣わんでええなぁ。
予定日に急にお葬式が入ったりしたら、遅れに遅れて下手したら1日拘束されるし・・・。
それに、初めてのことで何をどうしていいやら、さっぱり分からん^^;


てなわけで、8月3日の夕方の席に空きがあるというので、急遽行くことになった。


お寺は住宅地の中の、四角い建物の中にあった。
本院ではなく分院だから、古式床しい寺院の佇まいではない。

中に入って名前を告げて、お布施を渡した後に席に案内されたんだけど、
うちとは違って、親戚一同十数人で来ている家もあって結構賑やか。
数珠と経本だけでいいと言われてたけど、私は母の小さな遺影も持って行った。

大きな祭壇の前には、母のを含めて4つの戒名が貼られてあった。
それぞれの戒名をお経と一緒にきちんと唱えてもらうから、
改めてお盆期間に仏壇に参ってもらう必要がないのか、と思った。


やがて厳かに読経が始まったものの、参列者それぞれ持っている経本が違うから、
何ページから始まるとは言われていない。
とりあえず耳についた単語を覚えて、それを探してみるんだけど大変。
やっと見つけたと思ったら、もうずっと先に進んでて、
追いかけてるうちに読経はほとんど終わってしまった^^;


その後は、住職の説法に。

数十人を前に、住職が質問してきた。
「何で、お盆の期間前に法要があるのか不思議に思った人、いてはりますか?」

だ~れも手を挙げない。

私は手を挙げた。
だって不思議やん。
世間一般的には、お盆は8月13~15日ってなってるのに。
他にも少しは疑問に思ってる人がいるはずやのに、何で挙手せぇへんかな。

住職が私の方を向いて、「あ、不思議ですか?」と微笑んだ。
誰も不思議じゃなかったら、説法の意味もないわなぁ。


答えは、浄土真宗はお盆の期間を特に設けていないためだという。

「お盆の間だけ地獄の釜の蓋が開くとか言われますけど、
皆さんはご先祖が地獄におられると思ってはりますか?
餓鬼になっておられると思ってはりますか?」

私は声こそ出さなかったけど、首を横に振った。
母は温かい所で空腹も感じずに、自由を満喫しているような気がしていたからだ。
私の感覚は明らかに仏教よりもキリスト教で(キリスト教の方が好きだし)、
しかも生前は苦労が多くて、他人様に指を差されるようなことをしなかった母が
地獄に堕ちるなど、これっぽっちも思えなかったのだ。

「亡くなられた方々が地獄で苦しむことはありません。
すぐに阿弥陀如来様が迎え入れて下さる、それが浄土真宗の考えです。
ですから、お盆の期間だけ皆さんのおうちに戻って来られるのではなくて、
いつでも皆さんの側におられるというわけです」

浄土真宗って、そういう点ではキリスト教に近いんやなぁ・・・そう思った。

「ですが、お盆は夏のイベントとして定着していて、
この3日間に供養しないと、どうにも気が収まらないという方も多くおられます。
ですから、こだわる方にはお盆の間に仏壇にお参りさせてもらいますが、
そうでない方には8月の始めからお参りさせていただいたり、
こうして合同で法要をさせていただいておるわけです」

住職が私に向き直って、「ご納得いただけました?」と聞いてきた。
大きく頷く私。
これで説法は終わって、初盆も滞りなく終わった。


お寺に出向いて良かったなぁ。
お盆に自宅に来てもらってたら、こんな話をゆっくり聞かせてもらう時間はなかった筈。
それに、初めてだから分からなくて、何か失礼なことを仕出かしてたかもしれない。

もうお盆にこだわる必要がないって分かったし、
今後もお盆やお彼岸の期間に合同法要があるんなら、お寺に出かけようっと。






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Last updated  2008.08.31 23:56:42
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