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テーマ:昔の日本映画(74)
カテゴリ:日本映画(1961~70)
いわゆるヤクザ映画で当たる前の高倉健が主演した『悪魔の手毬唄』。もちろん原作は横溝正史。
以前から知る人ぞ知る?この映画、ソフト化されていないために(私的には)“幻の作品”であったが、ラピュタ阿佐ヶ谷で開催中の「ミステリ劇場へようこそ。【第2幕】」で上映中なので昨晩観に行く。 評価:☆ 鬼塚村一の富豪、仁礼家の長女は流行歌手として活躍していたが、自動車で帰省の途上、運転手もろとも殺害される。ラジオからは須麿子の新曲の手毬唄が流れていた。仁礼家の当主は,テレビの追悼番組で流れたその手毬唄を聴くとなぜか脅えた。一方、事前に、須磨子から脅迫状の件で相談を受けた名探偵・金田一耕助が村に駆けつけた夜、仁礼家の長男が銃声一発、殺される。現場を見た金田一は“自殺を装う毒殺"と見破るが……。 ……と、市川崑監督の映画(1977年)や古谷一行主演のTVドラマ(1977年、1990年)などをご覧の方、原作を読んだ方はお気づきのように、ストーリーはまったく別物と言ってよい。 そもそも手毬唄の必然性がまったくないし、解決の場面でも殺害方法の謎解きなども一切ない(ラジオに犯人の指紋が付いていない謎も解かれないし)。原作云々を抜きにして、ミステリー映画として見てもちょっと酷すぎないか? しかし、それよりも何よりも。 ブレザー&スラックス姿で首にはスカーフ、 黒のサングラスをかけ、 スポーツカーで颯爽と登場! 人と会話をするときはタバコをぷかぷか吹かし、 わりと頻繁にニヒルな笑いを浮かべ、 宿と屋敷の間の移動はスポーツカーで、 そして東京からは美人秘書(助手)がやってくる……。 うっ、うっ、こんなの金田一耕助じゃない! (いや、事前に想像はつきましたけどもね。それにしても。) そういう意味ではスリル満点(?)、ドキドキしながら見られるので、キワモノ?趣味のある人にはお薦め、かも。 ちなみに同特集上映では、中尾彬がジーパン姿で金田一耕助を演じた『本陣殺人事件』も上映していたが、こちらは未見。 さらに来週(3/1)には東京・池袋の新文芸坐で池部良が金田一耕助を演じた『吸血蛾』の上映もあり。こちらはちょっと見たいかな。 『悪魔の手毬唄』配役比較 http://www7.ocn.ne.jp/~yokomizo/haiyaku/temariuta.html ミステリ劇場へようこそ。【第2幕】(ラピュタ阿佐ヶ谷) http://www.laputa-jp.com/laputa/program/mystery2/ 『悪魔の手毬唄』 【製作年】1961年、日本 【配給】ニュー東映 【監督】渡辺邦男 【原作】横溝正史 【脚色】渡辺邦男、結束信二 【出演】高倉健、北原しげみ、小野透、永田靖、大村文武 ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.06.08 15:54:58
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