253872 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

分太郎の映画日記

分太郎の映画日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

分太郎1999

分太郎1999

カレンダー

お気に入りブログ

映画人の亡父のこと… モイラ2007さん

三浦研一のブログ … 彊人さん
masalaの辛口… マサラ0517さん
こぶたのベイブウ映… こぶたのベイブウさん
LOVEBEER便り LOVEビアさん
2007.03.23
XML
 いわずと知れた池田理代子の大ヒットマンガの映画化(1978年)。ユーロスペースにて鑑賞(2007/3/22)。

 『ベルサイユのばら』 評価:☆☆

 フランス革命直前のベルサイユ宮殿を舞台に、男装の麗人で近衛隊のオスカル、幼馴染みで王宮の厩番アンドレ、王妃マリー・アントワネット、スウェーデン貴族フェルゼンほか、虚実とりまぜた人物たちが繰りひろげる悲恋の物語。あらすじは省略。

 約30年前に公開されたときは、「ベルばら」自体を馬鹿にしていたので(すみません)、テレビのアニメは何となく見ていたものの、映画は未見だった(原作のマンガを読んだのも数年後に大学に入ってから)。
 1980年代半ばに、監督があのジャック・ドゥミだったと知って以来、観たいと思っていたのが、今回フランス映画祭の特別イベントでようやく鑑賞することができた(いや、DVDやビデオは出ているわけだが)。

 上映フィルムがかなり色褪せていて、“ピンク”映画になりかかっていたのがちょっと残念。私自信はピンク化した映画に慣れてはいるが、昔の映画をスクリーンでほとんど見たことのない人には、ちょっとショックかも。後述の理由もあり、オリジナルの色彩を堪能してみたかった。

 映画自体はよく2時間にまとめたとは思う。原作からはかなり改変されている感じだが(記憶が不確か)、独立した作品としてみれば、たぶん話の展開に過不足はないだろう。
 ただやはり描きこみ不足の感は否めない。それぞれのエピソードは通り一遍で、ダイジェスト版的な印象。
 オスカルは、仕事としてたアントワネットの側でただ護衛として立っているだけなので(たまに皇太子の遊び相手をしている)、もう少し活躍するエピソードを入れてもよかったと思うし、逆に、洗濯屋の娘ジャンヌが騙して貴族の養女になり云々のエピソードはカットしてもよかっただろう。首飾り事件は(映画的には)司祭の訴えのシーンで十分だと思うので。
 そして、一番ダメだなと思うのは、ラスト。オスカルとアンドレは軍人として戦うのではなく、群集のなかにただ紛れ込んでいるだけというのは、竜頭蛇尾すぎないか。そして、二人が離ればなれになった後、アンドレは流れ弾に当たって死んでしまう。やはりアンドレはオスカルをかばって死んで欲しかった。

 カトリオーナ・マッコール(外見的なイメージはオスカルそのまま)のオスカルは、かなり女性らしくて甘えん坊の妹タイプ、それでいてどこか儚げという造形で、まぁこれは原作ファンや宝塚ファンには嫌われるだろうが、個人的には結構好きな感じであった。
 あと、アンドレのイメージが全然違う(気がする)。男らしいというか、逞しすぎるというのか。映画のラスト近く、オスカルが父(将軍)と剣をとって戦うが、彼女があっさりと負けてしまうのに対して、アンドレはやすやすと勝ってしまう。ってそういう人物だったかな……。

 この映画のすごい?ところは、日本人による原作を映像化した日本映画でありながら、プロデューサー(山本又一朗)を除くと、キャストは当然としても、スタッフもすべて外国人であること。これは、一見日本映画にみえる『硫黄島からの手紙』が実はハリウッド映画というのとちょうど反対。あ、字幕翻訳だけは「池田理代子」というクレジットが入っている。
 キャスティングも、日本のベルばらファンが求めるイメージにあわせた結果、大半がイギリス人俳優となった。台詞も当然、全編英語。したがってフランスの香りが漂ってこない。この辺も、評価されない点だろうな。

 監督は『シェルブールの雨傘』『ロバと王女』『ロシュフォールの恋人たち』など、フランスの傑作ミュージカルを撮ってきたジャック・ドゥミ(映画の字幕表記ではドゥミー)。
 なぜ彼だったのかという疑問は当然湧くが、推測するに『シェルブールの雨傘』などの色彩感覚を信頼しての起用だったのではないかと思う。いかに綺麗に魅せられるかが、この作品のキーポイントなので。
 それにしても、せっかくドゥミに監督を依頼したのだから、予算と時間の問題はあるとしても、ミュージカル映画にしてしまった方が監督も本領を発揮できて(その結果、新たな可能性を開いたものとして評価も高かくなって)良かったのではないか。

 製作にあたっては、フランス政府の協力でヴェルサイユ宮殿での撮影が特別に許可され、さすがに豪華絢爛であった。ちょうど今年、同じくヴェルサイユ宮殿で全面的に撮影が行われた『マリー・アントワネット』が公開されたのも何かの縁だろう(あっ話は逆で、『マリー・アントワネット』の公開にあわせたようにドゥミ特集があった、と言うべきか)。

 映画公開当時、資生堂が製作協力で参加していたため、キャンペーン用に口紅のCM&キャッチコピー『劇的な、劇的な春です。レッド』が大々的に流れていたのも懐かしい。


『ベルサイユのばら』 Lady Oscar

【製作年】1979年、日本
【配給】東宝
【監督】ジャック・ドゥミ
【原作】池田理代子
【脚本】パトリシア・ナップ
【撮影】ジャン・パンゼル
【音楽】ミシェル・ルグラン
【出演】カトリオーナ・マッコール(オスカル)、バリー・ストークス(アンドレ)、クリスティーナ・ボーム(マリー・アントワネット)、ジョナス・ベルクシュトローム(フェルゼン) ほか






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.06.08 15:44:10
コメント(2) | コメントを書く
[日本映画(1971~80)] カテゴリの最新記事


カテゴリ

バックナンバー

・2024.11
・2024.10
・2024.09
・2024.08
・2024.07
・2024.06
・2024.05
・2024.04
・2024.03
・2024.02

© Rakuten Group, Inc.
X