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分太郎の映画日記

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2007.05.18
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 市川雷蔵出演による明朗時代劇「濡れ髪シリーズ」の第二作(シリーズといっても話の繋がりはないようだ)。カラー作品。八尋不二のオリジナル脚本を、田中徳三が監督。
 東京・池袋の新文芸坐で開催中の「市川雷蔵変幻自在」にて鑑賞。併映は「濡れ髪」シリーズ第一作『濡れ髪剣法』。

 『濡れ髪三度笠』 評価:☆☆☆☆

 将軍家の若君(一人)と旅鴉の珍道中をコミカルに描いた娯楽時代劇もの。

 『完本市川雷蔵』での解説によれば、脚本の八尋不二は、雷蔵からこれまでの「楷書」ではない「草書体」の演技を引き出したと述べている、とのことだ。確かに、そういう感じがしないでもない。

 ただ、映画そのものは、この年の4月にデビューしたばかりの本郷功次郎が主人公であって(映画公開は8月1日)、市川雷蔵の活躍の場が『濡れ髪剣法』より少ないあたり(美味しいところは持っていってはいるが)、評価で☆一つ減点かな。

 演出は、立ち回りシーンは、傘や西瓜(すいか)、井戸のつるべ等の小道具をうまく使い込んで雷蔵の腰から下の弱さをカバーしていて、なかなか見応えがあった。花火と交互に映し出す場面もgood。
 ただ、全体的にちょっと切り返しがうるさい感じがしたのと、ラストのロングは意味がないようでもったいなかったかな。

 下記のあらすじでは省いてしまったが、中田ダイマル・ラケット演じる弥次さん喜多さんの漫才を組み込んだり、和田弘とマヒナ・スターズの唄を入れたりと、従来の股旅ものから大きく逸脱した要素を詰め込んでいて、この辺も笑いを誘うところ(でも歌はちょっと唐突だったような……)。

 淡路恵子は、市川雷蔵とはこの映画が初顔合わせらしく、ちょっとぎくしゃくした感じはなきにしもあらずであったが、なかなかの貫禄があって良かった。
 おさき役の中村玉緒は、私的には『剣法』よりもこちらの方が可憐な感じ。
 肝心の本郷功次郎も、多少棒読みっぽいところもあったりするが、初々しく、お坊ちゃまからラストの啖呵を切るまでへの変化を上手く演じていて、新人としては及第点では無かろうか。雷蔵とは差が出てしまうが、それも劇中の“親分・子分”的な雰囲気にマッチしていたかな。

 ということで、「濡れ髪」シリーズはお気に入りかも知れない(といってまだ2本しか見ていないが)。

 今回の新文芸坐での「市川雷蔵 変幻自在」の鑑賞は、私はこの日でラスト(最終日の眠狂四郎二本立ては仕事の都合で見られず、残念)。
 「変幻自在」の通り、市川雷蔵の七変化というかさまざまな役柄が見れて、大変に有意義な特集上映であった。


【あらすじ】(ネタバレあり)
 子だくさんの11代将軍・家斉の38番目の若君・長之助は、幼い頃から岡崎藩に預けられ、居候の生活にあきあきしていた。そんな彼に親身になってくれるのは、老臣の久保寺平左街門ただ一人。今日も密かに城を抜け出し、城下の賑わいを楽しむ長之助であったが、その庶民とは少しずれた行動がちょっとした騒動を引き起こしてしまう。そこに助けに入ったのが、旅鴉の濡れ髪の半次郎であった。
 その長之助は、ある日突然、甲州・鷹取藩五万一千石の城主に封ぜられることになった。跡継ぎがいないため、数多い家斉の息子が養子縁組することになったが、その“くじ”に当たったのだ。しかし、老中の堀尾備前守は、自分の娘が生んだ家斉の息子を藩主しようと、岩間五郎太らを差し向け、長之助の江戸への道中に暗殺を企んでいた。
 一方、半次郎はある宿場の宿で、年貢代わりの金をつくるため身売りの旅に出ている百姓の娘・おさき親子と相部屋になった。彼女の最後の思い出にと河原へ花火見物に出たところを、以前から半次郎に想いを寄せるお蔦に見つかってしまう。そして、長之助が刺客に襲われているところに出くわし、再び彼を助けるのであった。長之助とおさきは、互いに惹かれあう。
 三度、長之助への襲撃を追い払った半次郎は、戦いで深手を負った平左衛門の今際の言葉に、長之助の身分を明かされ、彼を無事に江戸へ送ってくれるように頼まれる。半次郎は、おさきをお蔦にあずけ、長之助をやくざ者姿に変装させて別行動をとり、行く先々の貸元の所に身を寄せていく。そして、大井川の宿で、刺客一味はお蔦とおさきをかどわかし、二人をおびき出そうとした。単身一味のアジトへ乗り込んだ半次郎は、倍額の金を払うからと五郎太らを味方にしてしまった。
 だんだんとやくざ生活が身につき始める長之助は、途中の宿で半次郎に「家老に取り立てよう」と申し出るが、怒った半次郎は、お蔦に長之助を預けて消えてしまった。その姿に、反省した長之助は、おさきに五十両を与えて家に帰すように計らうのであった。
 長之助とお蔦は、夫婦を装って箱根の関所を越えようとするが、備前守の腹心の厳重な調べで窮地に陥ってしまう。そこに現れたのが半次郎とおさき。とっさの機転で急場を救うが、正体に気付いた腹心に追っ手を放たれてしまう。多勢に無勢の危機を救ったのは、金で家臣にした五郎太らであった。かくて、何とか無事に江戸に到着。
 家斉に対面する前に、別れを告げにきた半次郎やおさきに、大名よりも普通の人間として生きたいと嘆く長之助。半次郎は、何万という民百姓のことを考える名君になってくれと諭すのであった。
 将軍に謁見した長之助は、満座の中で、備前守の悪企みをあばくと、跡継ぎの件は丁寧に断り、藩主の座を投げ出して、半次郎、お蔦、おさきの一行を追うのであった。


『濡れ髪三度笠』

【製作年】1959年、日本
【製作・配給】大映
【監督】田中徳三
【脚本】八尋不二
【撮影】武田千吉郎
【音楽】飯田三郎
【出演】市川雷蔵(濡れ髪の半次郎)、本郷功次郎(長之助)、淡路恵子(お蔦)、中村玉緒(おさき)、楠トシエ(アメ売り:おとし)、中田ダイマル(喜多八)、中田ラケット(弥次郎兵衛)、和田弘とマヒナ・スターズ(宿の若い衆)、千葉敏郎(岩間五郎太)、伊沢一郎(松平伊豆守)、水原浩一(川辺甚之丞)、本郷秀雄(徳川家斉)、小川虎之助(じい:久保寺平左衛門) ほか



自著
『雷蔵、雷蔵を語る』

村松友視著
『雷蔵好み』

『市川雷蔵出演映画
作品ポスター集』

山根貞男著
『完本市川雷蔵』

書籍『Respect田中徳三』





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最終更新日  2007.05.23 13:23:52
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