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カテゴリ:京都あれこれ
親戚のおじいちゃんの遺作展がこのたび東京で開催されます
山口伊太郎遺作 源氏物語錦織絵巻展 4月2日(木) ー 6月28日(日) 大倉集古館 (ホテルオークラ東京) 詳しくは実行委員会ホームページへ
東京の大倉美術館での開催はたしか2回目となるはずです 昨年の地元京都の相国寺・承天閣美術館での開催もとても好評で 期間が延長されたほどだったのですよ~
この遺作展では、いにしえの源氏物語絵巻を 現代の西陣織の技術であざやかに織り上げた作品を見ることができます
作者の伊太郎おじいちゃんは 明治34年京都生まれ 平成19年に105歳で亡くなるまでずーーーーっと西陣織一筋
京都西陣と西陣織に一時代、いや二~三時代築き上げた人ではないだろうか? 織物の技術を追求し、作品としての西陣織をつくった人です
実際のところ、 ハレー彗星に2回遭遇した人を 私はこのおじいちゃんしか知らないもの。。。 それくらい(?)京都では有名人でしたね
作品をご覧になった方はおわかりかと思いますが、 なんといってもすごいのは これが「織物」であるということ! 縦糸と横糸しかない世界・・・
でも! 目に映る作品には 立体感があり、透明感があり、奥行きさえもあって
着物や植物で表現されている季節感や 登場人物のこまやかな表情、着物の合わせかた、小物の柄・・・ 物語をつづった墨のあと・・・
すべてが頭の中でリンクしてまるでアニメーションのようにひろがっていき、 ぐいぐいと作品中にひきこまれます
平安時代に貴族女性や女官たちが絵巻に夢中になったのもすっとくる きらびやかで奥ゆかしい世界が目に、頭に浮かぶのですもん
そして作品を魅力的にしているもうひとつの要素は繊細な色づかい はんなりしてて優雅で、どこかひかえめで 日本の色って素敵だな、と思う
旦那として粋で、職人としてストイックで、 やさしかったおじいちゃんを体現しているようです
一世紀を超えて生きた人間が遺したもの
人っていつでもこんなに夢中になれるものなんだ、 と勇気をもらう作品展でもあります
ぜひご覧になってください!
「S」
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