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お店のあるこの場所は、かっては遠浅の海でした。私達が高校に通っている時分は、毎朝この海を眺めながら海岸沿いの道路を湾曲して通学していたものです。
この海岸が埋めたてられ、中央に真っ直ぐの1本の道路が出来て、少しづつ家が立ち並ぶようになりました。 我が家は比較的早くできた家ですので、周りは原っぱ、後ろに「ガラサー山」の小島を臨み、電気店の坊やの飼っている山羊が、悠々と遊んでいましたっけ。 家の中庭にいつのまにか生えてきた1本のバンシルー(グワバ)の木があり、毎年たわわに実ってくれました。 私もよくもいで食べましたが、香りの強いピンク色の中身の味を今でも思い出します。 何のお祝いであったかもう忘れてしまいましたが、このバンシルーの木のそばで、大きな「シンメーナービ(おなべ)」をドラム缶の釜に乗せ、山羊汁を作る手伝いをしたことがありました。 翌日、おなべにべったりくっついた沢山の白い油を、四苦八苦で洗い流したこと などもなんとなく思い出してしまいます。 今この場所は温室になってしまい、もちろんこの木はもうありませんが、バンシルーの時期になると思い出すワンシーンです。 このところバンシルーの実をいっぱい頂くことが多く、「そういえば」と、つい目がかってのその場所にいってしまう、回顧の年頃になってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月06日 11時59分21秒
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